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星河の覇皇
第八十六部第二章 教育改革その三十四

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「それが十二にもなる」
「その分野だけでなく」
「他の分野も含めてなので」
「十に分けても十とは限らない」
「それが政治の世界ですね」
「全てが数字通りにはいかない」 
 ガラサはこうも言った。
「それでだ」
「それ以上になれば以下にもなる」
「そしてそれ以上にするのも政治ですね」
「十だったものを十二にする」
「そうもしますね」
「そうだ、だからこちらが六分の利益を得れば」
 十に分けてそのうちの六をというのだ。
「相手国もだ」
「六分の利益を得る」
「十を十二にして」
「そうしてですね」
「そうだ、一人勝ちはしないことだ」
 政治の世界においてはだ。
「勝ってもある程度な位でもいい、ビスマルクもオーストリアにそうだった」
「それまでのプロイセンの宿敵であり」
「ドイツを巡って争ってきましたが」
「オーストリアとの戦争に勝ちますと」
「その要求は軽いものでしたね」
「確かにドイツからは排除したが」
 それでもだったのだ。
「領土は求めず賠償金も軽かった」
「オーストリアと結んだバイエルンにも軽かったですね」
「少しの領土と賠償金だけでした」
「それで終わり」
「オーストリアも驚いた程でしたね」
 バイエルンはわかっていたらしい、当時のバイエルン王は。それでオーストリアにつきながらも兵を動かさなかったという。尚この王こそ狂王と呼ばれたルートヴィヒ二世であった。
「その要求の軽さに」
「そしてその後でオーストリアと手を結びましたね」
「そうしましたね」
「若しだ」
 ガラサはさらに言った。
「プロイセンが過度な要求をしてだ」
「オーストリアに飲ませれば」
「その時はですね」
「オーストリアはプロイセンに恨みを持ち」
 そうなっていてというのだ。
「それまでと同じくだ」
「プロイセンと敵対し」
「復讐を考え」
「敵であり続けましたね」
「プロイセンに対して」
「そうなっていればだ」
 ガラサは十九世紀の欧州の地図を脳裏に浮かべながら周りに話していった、そこにはプロイセンが中心にあった。
「プロイセンは到底だ」
「ドイツ帝国を築けなかった」
「左様でしたね」
「最後にフランスと戦ったが」
 ドイツ統一を阻んでくるこの国と、というのだ。
「しかしだ」
「その時にですね」
「オーストリアがフランスについてですね」
「プロイセンに再戦を挑んだ」
「その可能性もありましたね」
「プロイセンは確かにオーストリアにもフランスにも勝った」
 このことは歴史にある通りだ。
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