暁 〜小説投稿サイト〜
邪教、引き継ぎます
第三章
21.加護
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げようという作戦はバレバレだからね?」
「まあまあ、そんなこと言わずに。君はこっち側についたほうが絶対面白い人生を送れるって。今日だってまあまあ楽しかったでしょ?」
「どうだか。デビルロードは嫌いだし。いつメガンテするかヒヤヒヤしてた」

 デビルロードの首領にはもちろん丸聞こえである。それを受けて彼が白い少女のほうを向いた。

「心配はいらない。メガンテはいかなる窮地においても使ってはならないとフォルに命じられている」
「あっそう」
「え! そんなこと言ってたんだ、フォル君」

 初めての話はだいたい面白そうに聞くタクト。そして興味はだいたい横に広がる。

「ねえねえ。デビルロードやシルバーデビルから見て、フォル君ってどうなの? どんな風に思ってるのか興味あるんだけど」
「腕一振りでロンダルキアの外まで飛びそうな、脆弱(ぜいじゃく)な人間だ」
「うわ、意外に辛辣(しんらつ)だね」
「事実を言った。批判したつもりはない。我々はハーゴン殿に忠誠を誓った。ならばハーゴン殿を継ぐ者にも従うことが筋だ」
「へー! 面白いなあ。じゃあ、おれのことは?」
胡散臭(うさんくさ)い人間だ」

 ロンダルキアの祠の少女が、「デビルロードは嫌いじゃなくなった」と、白い息とともにこぼした。
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