第三章
21.加護
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ゃん、君は病気にも詳しそうだ。いいねー」
「タクト。わたしの直感ではアンタもなんとなく詳しそうな気がしたんだけど」
「うーん、おれの住んでたところでは病気がなかったからなあ。倒れた人を生で見るのは初めてでさ。本でしか知らないってやつ?」
「キラーマシンは動かせるのに?」
そのとき、開けられていた扉から声がした。
「フォルは起きているか」
「あ、デビルロードの首領さん」
フォルがあわてて上半身を起こした。
中に入ってきたのは、黄白色の体毛をした猿のような体に、羽と長い尻尾を持つデビル族。デビルロードの首領だった。
「見張り台の設置はすべて終わった。可能な状態になったらでいいので確認を頼む」
「はい。大丈夫ですので。準備してすぐ行きます」
ベッドから出ようとしたフォルの体を、白い少女が手で押さえる。
「『すぐ行きます』じゃなくてさ。寝とこうよ」
「しかし早めに戦える準備を整えないといけませんし」
「回復が遅れたら意味ない。というか、そもそもなんでここで寝てたの。神殿の外に家があるんだよね」
「あれは旧大神殿のときの倉庫をそのまま使っているものなので、狭くて皆さんが入れませんし……それにここにいないといろいろ不便といいますか」
「……。タクト」
少女の指名に、この場の全員が彼を見た。
「ん?」
「計画は一応把握してるの?」
「まあね」
「じゃあフォル、治るまで外の仕事は彼に行ってもらって、キミは寝てるほうがいい」
「おれもそう言ったんだけどねえ」
「タクトさんには他にも仕事を頼んでまして……ちょっと申し訳ないので、やはり私が」
「却下。キミは寝て、外回りはタクト。それで決まり」
「あ、はい」
「了解ー! でも人間が一人だけじゃ心細いからね。ミグアちゃんにもついてきてもらおうかなー。もちろん言い出した以上は断らないよね?」
タクトはニヤニヤしながら仮面を着けた。
見張り台の設置工事。
この地へ侵入者が現れた場合、すぐに発見し、すぐに神殿までその情報が入り、先手を取れるような体制の構築。その一環として進められていたものである。
「うん。全部大丈夫そうだね。担当も決まったし、死角のないロンダルキア常時監視体制のできあがりだ」
完成したものを一つずつ回り、最後の見張り台の確認を終えたタクトは、振り返って満足そうに笑う。
振り返った先は、デビルロード一人と、シルバーデビル三人、キラーマシン六体、そしてロンダルキアの少女ミグアである。
「ミグアちゃん。ずっとムスッとしてたように見えたけど、気分悪い?」
「最悪、だね」
「ふふふ。ごめんね。寒い中連れまわして」
「あのアークデーモンもそうだけど、わたしを巻き込んで既成事実を積み上
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