王の勅命
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前と違って、何時も無我の境地という一種のエロゲ奥義を使っているんだぜ!」
「トーリ殿! 出てる! 出ちゃってる! トーリ殿の馬鹿さ加減が出ちゃってるで御座る!」
神は見捨てられたという言葉が、うちの総長に体現されている。
何でこの馬鹿総長は自分で自分の首を喜んで絞めるので御座るか。
「……あ〜。で、相対でいいのかよ」
「おう! 俺に二言はねーぜ! 格好いいだろう?」
『クロスユナイト君! いっそ、葵君の首を君が刈り取ればこの状況を何とか出来るんじゃないかい?』
『バラやんも時々かっ飛ばすね……』
狂人の台詞は無視した。
というか、もう相手の方は呆れを通り越して、憐みの目でこちらを見ている。
見られる理由は解るのだが、自分達ではなくトーリ殿だけにして欲しいで御座ると内心で思う。
「じゃあ、とっととするか……これ程馬鹿みたいな相手と相対することになるなんて俺も思ってもいなかったわ、なぁ」
「こ、このおっさん! 俺がもう負けることが前提で進んでる気がするぞ! ───全裸でなら俺は絶対に負けねえ!」
「誇らしげに言うなこの馬鹿が!」
「自分の体を誇らしげに言って何が悪いんだおっさん!」
「誇らしげの方向性が違うのですわーーー!」
いかん、さっきから状況が一歩も進んでいないで御座る。
いや、進んでいいのだろうか?
この場合、拘泥している状態の方がいいので御座ろうか?
こんな状況は人生初なので、自分にはどうすればいいのか解らないので御座る。
「……で? 相対方法は? せっかくだからというか可哀想だから、お前に決めさせてやる。何でもいいぞ。ガチンコ勝負でも、交渉でも。何ならチェスとかでもやってやるぞ……まさか考えてないとか言わないだろうな?」
「そそそそんなわけないだろう、おおおっさん。 俺はちゃんと考えているぜ……!」
不安を煽る言葉にこの場にいる全員が汗を流す。
ミトツダイラ殿など、我慢し過ぎて嫌な感じの汗を垂れ流しているのが、目に見えてしまった。
「ほら。さっさと言え。相対方法は何にするんだ?」
「おう! えっと……」
しまったと内心で思い、しかし、現実は止まらずに進行してしまった。
何故か、トーリ殿は何かを探すようにきょろきょろとして、そしてびしっと何だか変な方向を指さし始めた。
「あっち! いや、あっちか? それともあっちか!? んん〜〜あっちかな〜?」
「この餓鬼……!」
前向き的に喧嘩を売り過ぎで御座るよ、トーリ殿!
このまま怒り狂ってバトル展開になったら、こっちが不味いというのに。
というか、何を探しているので御座ろうかと考えていると
「……もしかして総長。副長がいる方を探しているのですか?」
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