王の勅命
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。
しかし、ガリレオの方はともかく教皇の方は不味い筈。
詳しい事は知らないが、教皇総長は優れた身体能力と術式技能を持つ、つまり万能系の戦闘技術を持つという噂を聞いている。
そして、この場に相対権限を持っているのは二代と総長だけ。
相対を申し出たら、二代なら止める事は出来るが、そうなると今度はガリレオがいる。
どちらにしても、我が王が勝てる相手ではない。
となると
一撃必殺……!
相対をさせる前にここで倒すしかない。
ちらりと点蔵や直政の方を見る。そこで二人は不用意にこちらを見たりはしない。その無視を皇帝として受け入れ、足と手に力を入れる。
既に、銀鎖はさっき放り投げた鉄塊を掴んでいる。
距離と能力からして、自分が一番槍だ。
一番槍が失敗したら、後に響く。武蔵初の戦争で、いきなりのハードルの高さだ。しかし、そういう意味では遣り甲斐のある場所だと内心で苦笑しながら一歩を
「おーーーい! おっさん! こんな所におっさんが来て大丈夫なのかよーー? 腰とか大丈夫かぁ?」
へなと銀鎖まで力を抜かれてしまい、一歩も力ないものになってしまった。
「聖下と呼べよ小僧。そして年ならまだ小僧に心配されるような年齢ではない」
「とか言いつつ、確か、この前、大量の本を運ぶ時にぐほぉ! とか意味不明な叫びを上げながら腰を抑えて倒れていなかったか元少年」
「いいか? あれはポーズだ。変に俺がこの人は本当に年を取っているのだろうか? 元気過ぎないか? という疑問を抱かせない為に、俺は毎日頑張って人間だぞポーズを取っているんだ。解るか、この苦労が、なぁ?」
「そもそも、その人間だぞポーズを取らなければいけないくらいの、その元気さがおかしいと思うのだがね」
どうやらK.P.A.Italiaの教皇総長も、方向性は違えど、変人の部類に入るらしい。
まともな総長はこの世にいるのだろうか? いて欲しいと思う事自体がおかしいことなのだろうか?
不条理という言葉が浮かぶが、それを認めたら悲しくなりそうなので認めないことにした。
『だ、大丈夫ですの! きっと! きっと、どこかにまともな総長とかがいるはずですの!』
『……』
『な、何で誰もそこで肯定してくれませんのーーーー!?』
周りの武蔵学生も表示枠を見て、こちらから目を逸らしている。
も、もっと、夢を見ましょうよ皆さん!!?
何だか、自分だけ現実を見ていない夢見がちな子供みたいな扱いを受けてる気がする。
正しく理不尽である。
「さて、じゃあ、小僧。とっとと終わりにするか。俺はお前とは違って仕事が大量にあるからな」
「何だと! 俺にだってやる事は大量にあるぜ! エロゲとか! 覗きとか! モミングとか! 芸とか!! 見ろよ! 俺、結
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