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不可能男との約束
王の勅命
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構えた。

「結べ……蜻蛉切り!」

蜻蛉切りの割断で淫蕩の御身の効力を割断するしかない。
そう思い、蜻蛉切りを使ったのだが

「……?」

おかしい。
割断の手応えがない。
そう思っていたら

「残念だったな───俺は囮だ」

笑って、そんな事を告げる教皇総長がいた。
そして同時に違う声が聞こえた。

天動説(ゲオセントリズム)

瞬間、地面に術式が浮かんだと思った時には遅かった。
そのまま二代は謎の引力に地面を引き摺られてしまった。







二代が何か見えないモノに引き摺られているような光景に皆が息を呑む。

『乙女の柔肌を情け容赦なしに引き摺るなんて……何て鬼畜行為! 気をつけなさい愚弟! 相手は真性のドSよ!』

『何で喜美は人が思っていても、言い辛い事を遠慮なく言っちゃうんですか』

『おいおいおい! じゃあ、か弱い小動物系の俺はどうすればいいんだYO! 俺、滅茶苦茶狙われそうじゃねーか!』

『今度は囮候補が出来たね!』

『ええ。そうねマルゴット。今日はいい日ね───武蔵に新しい盾と囮が出来た日よ』

『じ、自分、盾になるために生まれたんじゃないんですよ!? ただ、能力的に盾になってしまっただけですよ!?』

『つまり、自発的か……』

『その"……"は止めてくださーーーい!!』

『つまり、自発的か』

『あ〜……どっちでも同じ結果でしたか……』

『大丈夫だよ? もしも傷だらけになってもお金さえあれば、絶対に治るから! だから、遠慮なく命賭けてね。あ、お金がないなら助けないから。そして無駄だった場合はお金払っても諦めてね』

『最悪という言葉が霞んで見える言葉を遠慮なく言いやがる!』

狂人達は相変わらず狂行を繰り返している。
何故か脳内に変態後という言葉が浮かび上がってきたが、これはつもり、諦めろという事だろうか。
何とかするには変態前の彼らをちゃんとした方向に導かなければいけなかったという事だったのか。騎士として導くのに失敗するとは……智風に言えば騎士道ガッデムっですの。

「さて、どうする武蔵? ここでチェックメイトか?」

すると、そこで教皇総長が語り掛けてくる。
隣には、副長としてガリレオ・ガリレイまで来ている。

「聖下! どうしてこの場所に……!」

「お前らの想像力では俺は座ったままなのか? なあ?」

「君の行動力は相変わらずだな」

悪いかと軽口を叩いているが、とりあえず大問題ですわ。
別に総長、もしくは副長=強いという法則はない。
現に、うちの総長は馬鹿しかできない全裸ですし、英国の副長はそんな武に秀でた能力を持つような人物ではないらしい(弱いというわけではないが)
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