王の勅命
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うやったら、こんな外道モンスターが生まれてしまったのだろうか。少々解剖して調べたくなってきてしまう。
そう思ってたら
『お助けプリーーズーーー! おーーまわりさぁーーーーーーーーん!!』
『馬鹿め! そんなものがどこから来るというのだ!』
自分の王の声が表示枠に乗って聞こえてきた。
自分で言うのもなんだが、反応は劇的ですぐさま声の方に振り向いてしまう。
『あるともよ! 名付けてデリック最強伝説! ───頼むぜ皆! そして来てくれよ騎士様!』
たった一言を聞いただけで、もう待てなかった。
欲張りながらも、たくさんの夢が着々と叶えられるこの現実に土下座をしてもいいくらいであった。
周りに誰かいなかったら泣いていたかもしれない。
王の危機を救える騎士でいたい。
王に助けを呼んでもらえるような騎士になりたい。
そして王に道をつける騎士になりたい。
騎士としての夢が一気に叶っていった。その夢を叶えるような場を作ってくれた我が王。なら、その夢を叶えるのは自分自身の手である。
だからこそ
「───Jud.! 今すぐ、そこに行って、貴方に道をつけます。我が王よ!」
「だったら行くさね! 例え呼ばれていなくてもね!!」
直政の意志に応え、地摺朱雀に力が籠る。
その腰には野太いロープが宛がわれており、そのロープはデリッククレーンに使用されているもので、とりあえず頑丈である。
そして、その頑丈のロープは地摺朱雀の重量と体勢によりV字になっている。
それもロープはぎりぎりまで引っ張っている。頑丈が取り柄のロープを千切れる寸前のV字にしているのである。
つまり、ここで地摺朱雀が力を抜いたらどうなるのかなんて、小学生でもわかる理屈である。
だが、それだけでは王がいる場所には残念ながら、全然力が足らない。故に他の力を借りるまでである。
地摺朱雀の両サイドから伸びたロープは地上百五十メートルの高さに位置する左右のアームの、それぞれの滑車部に渡り、下に垂れ下がっている。
そこに二機の重量化装備を付けた武神が射出され、そのまま垂れ下がっているロープを
「接続!!」
落下の勢い+重量込みで掴んだ。
そうなると必然的にロープが張り詰め、デリックの先端部分がしなり、そして
「行きやがれ!」
言葉は現実と化す。
まるで、投石機に投げられたかのように女性型の武神は空を駆けた。
二人の魔女が、文字通り命と体を張って空けた空を、武蔵の武神と騎士が飛んでいく。そして、その成果に飛ばした整備班のメンバーがよっしゃ! とガッツポーズをとる。
激化する戦場を更に激化するために。
強烈なGに耐えながら直政とミトツダイラは加速する。
既に戦場は見えている
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ