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金木犀の許嫁
第十二話 驕る平家は久しからずその四

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「お風呂もな」
「いいですね」
「さもないとな」
「身体に疲れが溜まって」
「怪我をするからな」
 だからだというのだ。
「本当にな」
「お風呂に入ったりですね」
「マッサージはな」
「することですね」
「ストレッチも」
 これもというのだ。
「いいから」
「毎晩やっています」
 佐京は部長にこのことを話した。
「寝る前に」
「ああ、いいね」
「いいですか」
「そうしたら疲れも取れるし」
 部長はさらに話した。
「よく寝られるし」
「身体が温まって」
「だからいいんだよ」
「そうですね」
「よく寝る」
 部長は一言で言った。
「もうこのことは」
「絶対ですね」
「忍術は跳んで跳ねて」
 そうしてというのだ。
「動くことも多いから」
「疲れているとよくないですね」
「だからね」
 そうしたものであるからだというのだ。
「本当に」
「よく寝られる様にすることですね」
「だから」
 そうであるからだというのだ。
「それはいいことだよ」
「寝る前にストレッチをすることは」
「うん、流石だよ」
「流石ですか」
「子供の頃からやってないね」
 忍術をというのだ。
「本物の忍者だよ」
「俺は本物ですか」
「そう思うよ」
 まさにというのだ。
「本当にね」
「そうですか、本物は」
「忍術をよくわかっていて」
 そうしてというのだ。
「ちゃんと休める」
「そうした人ですか」
「そうだよ、休めてこそ」
 そうであってこそというのだ。
「必要な時に動けるからね」
「忍術は必要な時に動いて」
「そして隠れるものだね」
「はい」
「何もない時はね」
「ただ静かにしていて」
「そうした時にそうする」 
 動きそして隠れるというのだ。
「そうしたものだからね」
「俺はそれが出来ているから」
「本物の忍者だよ」
「そうですか」
「しかもね」 
 部長はさらに話した。
「悪用もしないね」
「そんなことしないです」  
 一言でだ、佐京は部長に答えた。
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