第十二幕その五
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「言われたよ、作品の時系列は急におかしくなって登場人物はこぞって日本の悪口と極左的な政治政策を言って」
「極左なんだ」
「そして作者さんが嫌いな人を貶めたみたいな悪役が出てストーリーは破綻した」
「無茶苦茶なお話だったんだ」
「それでなんだ」
「ネットで凄く叩かれたんだ」
「出た当時ね、それでその作品で」
それでというのです。
「その作者さんから離れた人もね」
「いるんだ」
「もう何があっても読まないと言って」
そうしてというのです。
「実際にね」
「読んでいないんだ」
「これはよくない行為だけれど」
先生はこう前置きして王子にお話しました。
「その作品を読んでいて怒って」
「あまりにも出来が酷くて」
「本を何度も壁に叩き付けたらしいよ」
「それはやったら駄目だね」
王子も言いました。
「絶対に」
「そうだね、けれどその人がそうする位ね」
そこまでというのです。
「その作品の出来は酷かったんだ」
「日本の悪口ばかりで」
「日露戦争についてもそう言ったね」
「何かそう聞いたら」
「読みたいかな」
「全くだよ」
王子は先生に憮然とした顔で答えました。
「そんな小説だよね」
「ライトノベルだよ」
「ライトノベルは好きだけれど」
日本のそれはというのです。
「けれどね」
「そうした作品はだね」
「その作者さん日本嫌いなんだね」
「物凄い反日でネット上では有名だよ」
「その作者さんに言いたいよ」
真顔でのお言葉でした。
「そんなに日本が嫌いならね」
「出て行ったらいいよね」
「そう思ったよ」
「本気でだね」
「外国で暮らせるお金があるならね」
「あるよ、凄く売れてる作家さんだから」
先生は王子に答えました。
「一生遊んで暮らせる位ね」
「だったらそうしたらいいよ」
「ちなみにこの作家さんイギリスが大好きで」
「先生と皆の母国だね」
「日本のことは何でも口汚く貶めて罵るのに」
そうであるけれど、というのです。
「イギリスのことはね」
「何でも肯定するんだ」
「そうだよ」
「先生その人にイギリスで暮らして欲しいかな」
「絶対に嫌だよ」
先生ははっきりとした口調で答えました。
「その人が望めばいいけれど」
「それでもだよね」
「うん、僕としてはね」
先生個人としてはというのです。
「絶対にね」
「嫌だよね」
「こんな人は実はイギリスのこと何も知らないで」
そうであってというのです。
「わかっていなくて言っているだけだから」
「イギリスで暮らして欲しくないね」
「日本にもね」
先生が今暮らしている国でもというのです。
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