第0話:戦う者……
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んだ!」
しかし、それを阻む様に複数のコウモリが行く手を阻んで包囲する。
「しまった!?この吹雪は魔王軍の仕業か!?」
2人は咄嗟に剣を抜くが、どこを攻撃すれば良いのかが解らず焦る。
「このコウモリを操ってる親玉はどれだ!?」
「くそ!この吹雪で前が見えない……」
その隙に、1人の貴族風の白服の少年が男の首に噛みつき、一気に血を吸い尽くした。
「がっ!?……あ……あ……ぁー……」
ついさっきまで隣にいた同胞が目の前で死んだ事でもう1人はパニックに陥り、乱暴に剣を振り回す。
「うわぁーーーーー!来るな!来るなぁーーーーー!」
だが、一方の白服の少年は冷静に余裕を魅せながら、脅す様にゆっくりと獲物と見定めた男に近付く。
「もう遅いよ。君はもう……僕様のおやつだ」
旅人の命運は既に尽きた……と思われたその時!
「ブビィ!ひのこ攻撃だ!」
文字通りの火の粉程度の火炎放射だったが、それでも旅人達を食い殺そうとした白服の少年を怯ませるには十分だった。
「あっち!?熱熱熱熱っ!」
これを起死回生のチャンスと捉えた旅人は冷静さを取り戻し、剣を正眼に構え直す。
「これは……初歩的な火炎魔法か?だが何だ?その程度でこの慌て様は?」
旅人がキョロキョロと火炎魔法を使ったと思われる人物を探していると、そこにいたのは、先程男子トイレの前で声を掛けた男性を混乱に陥れた少女風少年で、その足元には3匹の小さなモンスターが仕えていた。
「何だ?あの子の隣にいる小さなモンス―――」
旅人が少女風少年に声を掛ける前に、火の粉程度の炎を浴びせられた白服の少年が怒鳴り散らした。
「誰だ!貴族系モンスターであるヴァンパイアの亜種である僕様に火を浴びせた無礼者は!」
対する少女風少年は気合十分で名乗りを上げた。
「僕はグートミューティヒ!優秀なポケモントレーナー目指すプリーストだ!」
それに引き換え、グートミューティヒの言ってる事が理解出来ない旅人。
「ぽけもん?何それ?」
それを聞いたグートミューティヒは簡潔に説明した。
「ポケモンは……あそこにいる粗暴で不潔な獣と違って僕達人間と仲良くなれる清いモンスターの事ですよ」
でも、旅人はやはり解らない。
「モンスターと……仲良くなる……不可能だ!」
それに対して、グートミューティヒは説教を垂れた。
「直ぐそうやって早々と諦めたら、未来は決められた道を無理矢理歩かされるだけですよ」
「……そう言う物なのか?未来は?」
「そう!そう言う物です!未来と諦めの関係は!」
半ば無視される形になった白服の少年が大激怒する。
「貴様らぁーーーーー!さっき僕様に火を浴びせると言う無礼を働いておきながら、あっさり僕様を蚊帳の外だと?無礼にも程があるぞ!?」
対するグートミューティヒは余裕で挑発する。
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