第24話
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ただの都市伝説だろ。そもそも誰も生き残ってねえなら誰がその話を伝えたんだ?」
確信を持った様子で語るマリエルにヴァンは呆れた表情で指摘した。
「そ、それは………どこかの凄腕の記者……とか?」
「ですが霧があったのは海というよりは東方人街の街の方ですし……見間違いなのでは?」
「暗い夜の中ですから、そう言われるとそう思えてきたような……」
アニエスの指摘にマリエルは当時の状況を思い返しながらアニエスの指摘が正解であるかのように感じていた。
「ともかくだ、俺達はたまたま現場の近くにいただけで、大した事は知らない。そういうことは警察か遊撃士にでも聞くんだな。」
「むうう……残念ですが仕方ありませんね。では皆さん、また何かスクープのネタがありましたら、ぜひ私に知らせてください!今度こそ、ディンゴさんに見直してもらうチャンスなんだから……!」
ヴァンの答えを聞いて残念があったマリエルはその場から去って行った。
「ヴァンさん、またあんな風に彼女を誤魔化して……」
マリエルが去った後アニエスは困った表情でヴァンに指摘した。
「おいそれと報道できないことばかりだ。それよりマフィアから遠ざけた方が彼女のためだろ。」
「それは……確かに。」
「それより、何か思い当たる所があったようだな。」
「ああ、さっきのあの女の話で、ようやく合点がいったぜ。」
ヴァンに話を振られたアーロンは静かな表情で答えた。
「もしかして、幽霊船の話ですか?」
「そうだ、そもそも煌都にあんな時間に寄港する船なんかねえからな。よく夜遊びであちこち回ってる俺が言うんだから間違いねえ。港の人間も知らないってんなら尚更プンプン臭うぜ。」
フェリの確認に頷いたアーロンは真剣な表情で答えた。
「あの夜、半グレたちは海路でラングポートから脱出したということですか。確かにそれなら、陸路を監視している黒月の目も届きません。」
「いや、脱出はしてねえ、まだいるんだよ、近くに。虎視眈々と煌都を狙ってな。」
「でも、拠点になるような場所は……」
「あるんだよそれが。よそ者じゃあそもそも知る余地もねえ、地図から抹消された場所。年寄りたちが揃って口を閉ざして語りたがらねえ、今では噂で聞くくらいが精々の”禁忌”の地。海を少し隔てた向こうにある廃棄された鉱山町―――”黒龍城塞”ってのがな。」
その後、一通りの聞き込みを終えたヴァン達は改めて情報を整理することにした。
〜東方人街〜
「……どうやら見えてきたみてぇだな?」
「考えてみりゃあ盲点だったぜ。俺達東方人街の人間にとっちゃ、見慣れた風景―――いや……目に映っていても意識から外
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