戦場へ
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う事である。
勿論、この程度の煙では蜻蛉切りを妨害する事は出来ないかもしれない。
しかし、自分はこの蜻蛉切りを手に入れたのは、今日である。試し切りはしたが。こんな悪条件で使った事はない。
それに対して、蜻蛉切りに確認を取ろうとしたところで相手も近接武術士が加速を使って、こちらに突っ込んできた。
……面白い……!
自分の思い通りにならない展開。
それでこそだと思う。戦場こそ人生の縮図だと拙者はそう思っている。
なればこそ、それを覆す事こそ戦いだとも。
「武装警護隊! 突撃ーー!!」
「Jud.!!」
自分の掛け声とともに武装警護隊が言葉通りに突撃する。
加速を使っての力任せの突撃。こちらのちゃんとした戦闘技能と経験を持っているのは、自分達だけだと思っている。
とはいえ、武蔵の特務クラスとかの実力を疑っているわけではないのだが。
さてと周りが騒がしくなったのを契機に自分も突撃する。
周りは既に戦場。
前も後ろも横も戦っている。
なら、どっちに行くべきかと言われたら前だろう。
何せ、前にしか我らが君主、ホライゾン様はいないのだから。
前に翔翼使って、突っ込む。
しかし、相手はこちらの動きを察知していたのか、何時の間に前は自分が突っ込もうとしたところが開けており、その奥には
「大砲で御座るか!?」
しかも、拙者一人に使う気である。
そこまで過大評価されていたとはと思考の片隅でどうでもいいことを考えていたが、そんな事を言っている場合ではない。
既に放たれる一秒前である。
回避は可能ではあるが余り得策ではない。
神道の加速術式は乱れたら暴発する。暴発するだけで、死ぬというわけではないのだが、戦場でそんな事をしたら危険極まりないし、周りの足を引っ張るだけになる。
そして、普通に避けれたとしても、今、避けたら確実に後続に当たる。
となれば、ただ一つ。
意志を回避にではなく、前進につぎ込んだ。
それと同時に大砲は発射された。
腹の奥底にまで響きそうな低い音共に術式砲弾が発射される。大きさは大体4、5メートルくらい。あの加速で当たったら間違いなく致命傷では済まない。
その事実に冷や汗が流れるが、気にしてはいられない。
当たるまでにこちらが走れるのは大体三歩といったところ。ならば、その三歩でタイミングを合致させなくてはいけない。
その難易度に思わず
「はっ……!」
笑いがこみあげてきてしまうが構いはしない。
ここで生きて帰らなければホライゾン様を御守りすることが出来ないし、まだやりたい事も決まっていないのである。なら、ここで死ぬわけにはいかない。
外すわけにはいかない。
身を鋭角に、体を左斜めにして、槍を突きの構えを取らせる。
一歩。
上々の歩幅。槍を持っている腕は
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