戦場へ
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目に考えてみれば、武神が出てくるという事は、これから戦闘が起きるという事である。
嫌な予感が当たるのならば───相手は
「……関係ありません」
誰にも聞こえないような小さな声で無関心という言葉を吐く。
そう。自分には関係ない。これから死ぬだけの自動人形には何も関係がない事だろう。
死人に口なし……というのは些か速いのかもしれないが、どうせ死が決定している身である。ならば、別に使ってもいいだろう。
だから、誰も自分に関わらないでいいのだとホライゾンはただ惰性に任せて本を読もうとして
「あ……図書券が挟んでありました」
ちょっと未練が残ってしまいそうになった。
「さて……そろそろ宴の始まりってとこかな」
「くくく、眼鏡が何か格好つけた事を言っているけど、今日は機嫌が良いから特別に発言を許すわ! さぁ、眼鏡らしく知的に狂った発言をかますといいわ。そう知的。漢字変換すると痴的! んーー! もう!こんな所で痴的にならないでよ! 私的にはオッケーだけど!」
「ごめん。葵姉君がもう頭の狂気スピードメーターが振り切れているんだけど、どうすればいいと思う?」
『とりあえず、トーリ君と喜美のお母さんを呼べば治るんじゃないですかね?」
「あ、あんた……! 何て事を言うのよ! うちのお母さんはマジでリアル侍だから、こういう場面で冗談を言っていたとか言ったら私のお尻が刀でぺんぺんされるかもしれないわよ! 掛け声はは・い・と・く・て・き!! でお願いね!?」
『パス1でシュウ君へ』
『お化けでも見せればいいんじゃね? ……ああ、喜美。解った解った。お前の一瞬の反応で次のリアクションが解ったから何も言うんじゃねえ。だから、パス2でネシンバラに』
「……って結局僕の所に戻っているじゃないか!!」
役に立たない囮だとネシンバラは少し絶望して、結局無視することにした。
それに今考えるべきなのは近くにいる狂った踊り子ではなく、目の前の戦場の踊り相手の事だろう。
「まったく……現実は困難だというのは当たり前のことなんだけど……」
ここまで来たら逆に笑ってしまう。
数は勿論、経験、武器。そういった物でこっちは世界に負けているのである。術式だってあからさまな攻撃術式は抑えられている。
せめて、特務としての実力は互角だと思いたいけど。
笑えるくらい絶望的な戦闘。
だけど、それを笑い飛ばすことが出来るくらい余裕がある。
これくらい出来ないと武蔵の王の所で馬鹿をやる事は出来ない。何も出来ない馬鹿が、この状況を笑うことが出来ているのだ。なら、自分は笑い飛ばすくらいしないといけない。
支持を受けたのならば、それに答えるのが義理というものだろう。
ようやく彼はこっちの期
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