第六十四話 終わらないものはないその二
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「わし等は」
「そうか、じゃあな」
「はい、今からです」
「下の階に戻って」
「宿屋で一泊します」
「それじゃあな、それで休む前にだよな」
「はい、風呂に入って」
そうしてとだ、メルヴィルは答えた。何とか立っている状態であるが見れば彼も仲間達も目は生きている。
「それで飲んで食って」
「そうしてだな」
「寝ます」
「そうしろ、やっぱり勝ったらな」
ヘラクレスは笑って返した。
「宴だよ」
「それを楽しむことですね」
「負ければ残念会でな」
「勝ったらですね」
「そうしたらな」
その時にというのだ。
「勝利の美酒でな」
「宴ですね」
「そうするものだ、だからな」
それでというのだ。
「今からな」
「飲んで食って」
「その前の風呂も忘れないでな」
そうしてというのだ。
「楽しめよ」
「ほな」
「それでわし等はな」
ヘラクレスは自分達のことを話した、他のギリシアの英雄達もいる。ペルセウスやペレロフォーン達である。
「お前さん達を応援するからな」
「この世界を救うことを」
「ああ、わし等に勝ったんだ」
それならというのだ。
「もっと上に進んでな」
「そうしてですね」
「他の神霊達にも勝てよ」
そうせよというのだ。
「いいな」
「そして踏破ですね」
「そうだよ、ところで宿屋にな」
こちらのことも話した。
「いい姉ちゃんか美少年はいるかい?」
「それってまさか」
綾乃はヘラクレスの今の言葉に引いて問うた。
「そうしたことですか」
「もうそれはな」
ヘラクレスは綾乃に笑って答えた。
「欠かせないだろ」
「ヘラクレスさん女好きでしたね」
「美少年もな」
隠すことなく笑って答えた。
「大好きだよ」
「そうでしたね」
「ああ、もう食って飲んでな」
そうしてというのだ。
「お姉ちゃんかお兄ちゃんがいればな」
「ええんですね」
「わしは本能の赴くまま生きてるからな」
そうした人生だからだというのだ。
「そういうことも超好きだよ」
「超ですか」
「隠さないからな」
その好きのレベルをというのだ。
「それでな」
「宴とですね」
「どっちがかあればな」
「ええんですね」
「そうさ、それでお前さん達は」
「あの、そういうのは」
綾乃は引いた顔のまま答えた。
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