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ドリトル先生と不思議な自衛官
第十一幕その三

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「私の前世は」
「そうですね」
「実は子供の頃両親に連れられて東郷神社をお参りしたのですが」
「その東郷さんを祀っている」
「両親と一緒にお賽銭を入れて手を合わせたところで」
 その時にというのです。
「全て思い出しました」
「そうでしたか」
「そして私は自衛官になってです」
「再び日本を守ろうと思われましたか」
「そのうえで学業に励み」
 そうしてというのです。
「心身を鍛えてきました」
「そうだったのですね」
「日本は当時とは全く違います」
 堀与さんの前世即ち東郷さんが生きていた時代とはというのです。
「危機はあってもまだ当時よりはです」
「穏やかですね」
「そう言っていいです、ですが」
 それでもというのです。
「油断出来ません」
「そのことはその通りですね」
「ですから私はです」
「海上自衛官としてですね」
「働いていきます、この言葉もです」
 働くというそれもというのです。
「かつてはです」
「使わないお言葉でしたね」
「働くのではなく」 
 この言葉を用いるのではなくというのです。
「奉職ですね」
「日本に対してですね」
「無論今も奉職といえばです」
「そうさせてもらっていますね」
「ですが」 
 それでもというのです。
「やはり今はです」
「働くという方がですね」
「相応しいでしょう」
「今の日本ではそうですね」
 先生もそれはと答えました。
「緊迫した状況ではないので」
「かつてと比べて」
「やはりかつてはです」
「かなり緊張していましたね」
「流石に平時は違いましたが」
「戦争の時は」
「誰もが必死で」
 日本の為にというのです。
「まさに日本そして陛下の為にです」
「奉職されていましたね」
「そうでした、ですが今はそう言う位にです」
「穏やかですね」
「しかし危機は何時でもあります」 
 これはというのです。
「このことはです」
「否定出来ませんね」
「はい、ですから」
 その為にというのです。
「私は自衛官、海のそれとして」
「働いていかれますか」
「定年まで、そして定年してからも」
「それからもですね」
「自衛官とは別の形で働かせてもらい」
「国防を担っていかれますか」
「そうしていきます」
 こう先生に答えました。
「まさに」
「そうされますか」
「はい、そして」
 それにというのです。
「日本がこのまま穏やかで豊かにです」
「暮らせる様にしてくれますか」
「そうしていきます」
「そうなのですね」
「そうです、しかし驚かれないのですね」
 堀与さんは自分と向かい合ってお話を聞いてくれた先生を見て言いました、先生はしっかりとお話を聞きながらカレーを食べています。
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