第百二十四話 運動会その五
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「阪神の試合も順調で高校野球もね」
「順調よね」
「高校野球も雨降ったら」
「試合中止になるしね」
「そうだしね」
「それもなくなるから」
高校野球の中止もというのだ。
「私もね」
「甲子園はドームでいいって思うのね」
「そう思うわ」
かな恵に実際にと答えた。
「本当に」
「そうなのね」
「いや、日本一の球場でも」
甲子園球場はよくそう呼ばれる、高校野球だけでなく阪神タイガースの本拠地でありしかも色々と歴史や設備があるからであろうか。
「ドームだったらね」
「もっといいのね」
「何で建て直した時にドームにしなかったのかしらね」
一華はこのことが気になった。
「色々無理だったのかしら」
「折角新しくなったけれど」
かな恵もそれはと応えた。
「ドームにはしなかったわね」
「そうなのよね」
「阪神の本拠地って他に考えられないし」
「高校野球もね」
「けれど建て替えるなら」
それならというのだ。
「ドームがね」
「いいかもね」
「そうかしらね。私はドームは」
かな恵は考える顔になって言った。
「そればかりっていうのも」
「嫌なの?」
「そうも思うわ」
「何でなの?」
「全部ドームだとね」
プロ野球のチームの本拠地がというのだ。
「それはそれで個性がないんじゃないかなってね」
「思うのね」
「そうなの」
「甲子園がドームになったら」
今話している様にというのだ。
「甲子園でもね」
「違うっていうのね」
「甲子園って屋根がなくて」
そうであってというのだ。
「内野のグラウンドは土ね」
「あの土がまた独特なのよね」
外野のそれがとだ、一華も言った。
「甲子園の土を持って帰るってね」
「高校野球じゃいつもね」
「やってるけれど」
負けたチームがだ、それもまた甲子園ひいては高校野球の風物詩であるのだ。敗者にも得られるものがあるのだ。
「あの土もね」
「ないとね」
かな恵は一華に答えた。
「甲子園じゃないってね」
「かな恵は思うの」
「何でもミミズが多くて」
「そうなの?」
「下に追い払うのに苦労してるらしいけれど」
甲子園で働いている人達はだ。
「昔は蔦もあったしね」
「壁にね」
「あそこは蛇が多くて」
蔦の中で暮らしていたのだ。
「そのことでもね」
「苦労してたのね」
「今はないけれど」
蔦はというのだ。
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