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第百二十四話 運動会その一

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                第百二十四話  運動会
 運動会当日となった、すると。
 開会式前にだ、かな恵は中国の娘に言われた。
「ジャージでよくない?」
「着ている服は?」
「ええ、体操服じゃなくてね」
 その娘は白い体操服とネイビーブルーの膝までの半ズボン姿である、その姿でかな恵に言うのであった。
「ジャージでね」
「いや、こっちの方が動きやすいでしょ」
 ジャージよりはとだ、かな恵は中国の娘に言った。
「やっぱり」
「いや、着替えないで済むから」 
 中国の娘はこう答えた。
「そのままはじめられて終わってもね」
「ジャージのままだから」
「中国だとね」
 自分の祖国ではというのだ。
「もう皆いつもね」
「ジャージなの」
「動きやすいし汚れてもいいし」
 そうした服であってというのだ。
「着替えることもないし」
「合理的なの」
「そうよ、とはいってもね」
 こうもだ、かな恵に話した。
「制服はいいわね」
「それはなの」
「ええ、私も自分で制服選んで」
 そうしてというのだ。
「着てるしね」
「あんた黄色のブレザーと黒のプリーツスカートよね」
「リボンは青でね」
「そうした制服よね」
「ブラウスは白で」 
 それでというのだ。
「まとめてるのよ」
「そうよね」
「夏は白のブラウスとね」
 黒のポニーテールで切れ長の目で言うのだった。
「黒のスカートよ」
「プリーツの」
「それでハイソックス好きよ」
「絶対領域?」
「それも好きよ」
「あんたそれで制服は好きなのね」
「ええ、ただ運動会は」
 即ち今はというのだ。
「ジャージでね」
「いいっていうの」
「そう思うけれどね」
「いや、運動会はね」
 まさにとだ、かな恵は中国の娘に答えた。
「体育だから」
「その授業と同じだから」
「もうね」 
「体操服なのね」
「それでやることがね」 
 それがというのだ。
「決まってるのよ」
「そうなの」
「まあ体操服ない学校もあるそうだけれど」
「ジャージね」
「奈良の天理高校とかね」
 具体的な高校の名前も出して話した。
「そうみたいよ」
「柔道とか野球とかラグビーとか吹奏楽で有名な」
「あの学校はね」
「体操服ないの」
「分厚い生地のジャージでね」
 それでというのだ。
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