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金木犀の許嫁
第十一話 忍術は暴力ではないその九

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「案外ね」
「何があるか知らないわよね」
「お隣さんが犯罪者だったとか」
「あるわね」
「そうしたものだから」
 世の中というものはというのだ。
「わかればいいけれど」
「わからないことが多いのね」
「それがね」
「問題よね」
「そりゃ路上とかでね」
 人が多く見ている場所でというのだ。
「堂々と殴って蹴ったら」
「わかるわよね」
「もうすぐにね」
 その時点でというのだ。
「通報したらね」
「いいわね」
「それで済むけれど」
 この場合はというのだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「そうとも限らないから」
「お家の中でのDVとかだと」
「ばれにくいから」
 それでというのだ。
「難しいのよ」
「残念なことね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「学校だと堂々と行っても」
 その暴力行為をだ。
「何度かお話してるけれどあえて他の部活の子達の前に連れ出してね」
「馬乗りになっても」
「これが全くよ」
 教師がそうした行為を行ってもだ。
「お咎めなしよ」
「何十人が見ても」
「先生も生徒もね」
「何もなしね」
「その先生にね」
「あの、そうなったら」
「もう自浄とかね」
 組織の中でのそれもというのだ。
「全くよ」
「ないわね」
「暴力は犯罪よ」
 それに他ならないというのだ。
「そんなことは昭和でもね」
「はっきりしてるわね」
「それでね」
「そんなことがお咎めなしだと」 
 そうであるならというのだ。
「もうとことんね」
「腐りますね」
「そうなるわ、というかね」
 真昼は自分の言葉を訂正させて白華に話した。
「もうとっくによ」
「腐っていることもですか」
「有り得るわよ」
 そうだというのだ。
「あの、生徒を人前にわざわざ連れ出してね」
「馬乗りになるとかですね」
「意図的なそれも残虐な暴力でしょ」
「自分の力を見せ付ける様な」
「やってること無茶苦茶でしょ」
「そんな無茶苦茶が通るならですね」
「もうその場所はね」
 既にというのだ。
「かなりね」
「腐っていますか」
「問題であることが問題になっているうちはいいのよ」 
 そうであるならというのだ。
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