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金木犀の許嫁
第十一話 忍術は暴力ではないその八

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「やっていけばいいのよ」
「そうなんですね」
「通報して法律でよ」
 この力で以てというのだ。
「やっつければいいのよ」
「そうですか」
「そして」
 さらに言うのだった。
「これ以上害を受ける人をね」
「なくすことですね」
「暴力を好き放題振るうなら」
 そうした輩ならというのだ。
「それこそね」
「どんどんですね」
「人を虐げていくから」
 放っておけばというのだ。
「そのままにしておけないからね」
「だからですね」
「通報してね」
 そうしてというのだ。
「勿論証拠を添えて」
「やっつけることですね」
「そうすることは義務よ」
「義務ですか」
「犯罪やってる人を通報しなくてね」
 そうせずしてというのだ。
「悪い人はいなくならないでしょ」
「後は警察次第ですね」
「逆に言うと現行犯でないとね」
 さもないと、というのだ。
「悪い人は逮捕されないでしょ」
「警察も通報を受けて知りますね」
「悪事をね」
 暴力行為に限らずだ、警察にしても張り込みや囮捜査でもしていないとその悪事を知ることは出来ないのだ。
「だからね」
「通報はすることですね」
「犯罪を知ったらね」
 その時はというのだ。
「そして悪い人を捕まえてもらうのはね」
「義務ですね」
「そうよ、だから卑怯ではね」
「全然ないですね」
「むしろいいことよ」
 通報することはというのだ。
「本当にね」
「そうなんですね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「家とか学校での暴力はね」
 真昼は難しい顔になって話した。
「見付かりにくいのよね」
「そうよね」
 夜空はその通りだと応えた。
「だから厄介なのよね」
「そう、閉鎖された場所でしょ」
「お家とか学校は」
「だからどうしてもね」
「外からはわかりにくいのよね」
「中で何があってもね」
 それが眉を顰めさせる様なことでもというのだ。
「わからないからね」
「問題なのよね」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「難しいのよ」
「家庭内暴力も校内暴力も」
「そうなのよ、それで最悪の事態が起こって」
 そうしてというのだ。
「やっとわかるとかね」
「そうしたことがあるのね」
「お隣さんでもね」
 住宅街でもマンションでもだ、この場合は。
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