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オズのヘンリーおじさん
第九幕その七

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「オズの国自体にね」
「そうなんだな」
「じゃあ私達も旅をしていいのね」
「例えばね」 
 こうもです、ドロシーは言いました。
「お空を飛ぶ列車に乗って」
「オズの国の鉄道はそうだな」
「お空も飛べるわね」
「車窓から夜空の星座を観ることも素敵よ」
「銀河鉄道の夜ですね」
 恵梨香はドロシーの今のお話を聞いて目を輝かせました。
「その旅は」
「あっ、日本の童話の」
「そうですよね」
「そうね、まさにね」
 ドロシーもその通りだと答えました。
「銀河鉄道の夜の旅もね」
「オズの国では出来ますね」
「そうなのよ」
「夢みたいですね、私あの作品を読んで」 
 恵梨香は目を輝かせてお話しました。
「物凄く憧れたんです」
「ああした旅をしたいって」
「はい、今は飛行機があって」
「お空で夜空を観られるわね」
「そうですが」
 それでもというのです。
「ああしたです」
「旅がしたいのね、恵梨香は」
「前にオズの国の列車に乗せてもらいましたけれど」
「あの時はお昼だったかしら」
「そうでしたから」
 だからだというのです。
「一度です」
「夜になのね」
「旅をしてみたいですね」
「では今夜どうかしら」
「出来ますか」
「ええ、どうかしら」
「ではお願いします」
 ドロシーに笑顔で答えました。
「その時は」
「それではね」
「宜しくお願いします」 
 こうしたお話もしながら海の岩場の生きもの達を観ていってです、お昼はバーベキューですがお野菜以外はです。
「全部海の幸だな」
「そうね、お肉じゃなくて」
 おじさんとおばさんは網の上で焼かれているものを食べつつ言います。
「お魚に貝に海老に」
「蛸に烏賊でな」
「それでどれも美味しいわ」
「そうだな」
「そう、バーベキューもいいんだよ」
 トトは舌鼓を打つお二人に蟹を尻尾を振りつつ食べながら答えました。
「海の幸のね」
「そうだな、本当にな」
「お肉のバーベキューにも負けていないわ」
「そうだよね、僕も大好きだよ」
「いや、絶品よ」
 エリカは舌なめずりをしました、そして自分が食べているオマール海老を丸ごと焼いたものを見ました。
「こちらもね」
「オマール海老か」
「これまた美味しそうね」
「だから言った通りよ」
 エリカはお二人に喉を鳴らしながら答えました。
「絶品よ」
「そうなんだな」
「美味しいのね」
「だから食べてね」
 オマール海老の方もというのです。
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