第九話 山が多い国その九
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「性別が違うとな」
「間違いなく別人だよ」
「しかもドクターマンは生身にな」
この身体にというのだ。
「さらにな」
「機械が入っているからね」
「かなり特徴があるからな」
「さっきの人は完全に生身だったでしょ」
フリントが言ってきた。
「そうだったでしょ」
「そうだったよ」
ステイシーもその通りだと答えた。
「見たらね」
「貴方そうしやこともわかるわね」
「元々機械だからね」
トジランドの人間として答えた。
「わかるよ」
「そうよね」
「似ていたけれど」
このことは事実だがというのだ。
「それでもね」
「完全に生身の人だったから」
「それで女の人だったから」
このこともあってというのだ。
「完全にね」
「別人ね」
「そうだったよ、幾ら似ていても」
「また別人ね」
「そうだったよ」
またフリントに話した。
「だから行こう」
「それじゃあね」
「行こうね」
弟達が応えてだった。
ステイシー達はドクターマンを銀座で探した、だが銀座にはいなかった。桃井は喫茶店でその話を聞いて腕を組んで言った。
「わかった」
「それだけ?」
「何かあるか」
鬼頭に問われてこう返した。
「他に」
「いや、まだ見付からないとかね」
「見付かる時は見付かる」
桃井は鬼頭に腕を組んだまま答えた。
「そしてだ」
「見付からない時は見付からないの」
「そんなものだからな」
「わかったで終わりなの」
「また見付かる」
桃井はまた言った。
「慌てないことだ」
「そうなのね」
「慌てていいことがあるか」
こうもだ、桃井は言った。
「一体」
「そう言われるとね」
鬼頭もそれはと首を傾げさせて答えた。
「ないわね」
「そうだな」
「そういえばタロウはいつも慌てないな」
猿原がこのことを話した。
「そうだな」
「だから慌ててもだ」
「何もならないからか」
「俺は慌てない」
そうだというのだ。
「全くな」
「そうなのだな」
「勿論怠けはしない」
それはないというのだ。
「しかしな」
「慌てることはしないな」
「そうだ、このまま探していけばいい」
「あの、先に敵が見付けたらどうするんですか?」
雉野はそうなった場合、多くの者が危惧しているそのケースのことを念頭に置いてそのうえで桃井に話した。
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