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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第八十三話 鳴動
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同時刻、シルバーブリッジ三番街、ウィンチェスター邸、
ヤマト・ウィンチェスター

 目の前にはオットーとパオラ姐さんがニコニコ顔で座っている。
「もと鞘に収まった訳か。おめでとう、よかったよかった」
「有難いお言葉ですけど…なんか適当ですね、閣下」
「い、いやそんな事は無いよ」
「エル・ファシルで出会った頃は可愛かったのになあ…やっぱ地位は人を変えるんですねー」
「だからそんな事はないですってば」
「意外性がないのは解る。だけどそうおざなりにする事はないんじゃないか?友達だろ?」
オットーさあ…また任地がバラバラになったら別れたりしないだろうな?恒星間長距離恋愛…この世界の人は普通なんだろうが、それが普通って事は別れる事も多々あるって事だぞ?まあ、基本的にはめでたいからよしとするか…。
「だからよかったって言ってるじゃねえか!全然おざなりじゃありません!ほら、乾杯!」
忙しいけれど、こうやって人と人の営みは続いていく……なんてキー○ン山田さんのナレーションみたいな事を言ってる場合じゃないんだよなあ。帝国の動きが全く見えない。アニメだと都合よく何か起きてくれるんだけど、フェザーン経由でも何も聞こえて来ない。フェザーンからすら何も聞こえないってのは困る。何か起きて情報を遮断しているのか、駐在の高等弁務官府が無能なのか……まあヘンスローが高等弁務官だからな、動きが鈍いのも解るけども、めぼしい情報すらないって事は無いだろう……あ、だったら…。
「エリカ、ちょっと二人の相手しててくれ。シトレ閣下に用事を思い出した。すぐ戻る。オットー、二人共泊まっていくだろ?」
「ん?ああ」
「済まないが少し待っててくれ」

 電話、電話、と…。
「もしもし…ああ、ユリアンかい?ヤン提督は居るかな……なるぼど、分かった分かった。君から連絡を居れといてくれないか?今から迎えに行くって…うん、うん、大事な用って言っといてくれ。よろしくな」
ヤンさんは三月兎亭か。ラップとジェシカ…ああ、結婚したんだな。こうやって人と人の営みは続いていく……。


22:00

 「まさかまだここに残っていらっしゃるとは思いませんでしたよ」
「君達が思っている程暇ではないのでな…しかしどうした、二人揃って」
「いえ、一つお願いをと思いまして」
シトレ親父はまだ本部長執務室に居た。机の上をチラ見するとサイン待ちの書類が溜まっている。指揮官になってみて分かったが。サインするのも大変なのだ。書類を提出する側は『サインだけ呉れたらいいんだよ』と考えるけど、サインする側はそうはいかない。隅々までチェックしないと後から大変な事になりかねない。パラパラめくってハイOK、という訳にはいかないのだ。親父は書類に目を通すのを止め、こちらに目をやった。
「はい、ミルクだ
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