【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第2節】ティアナが〈破壊王〉と呼ばれる理由。
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ルフィは思わず、笑いながらも素直な感想を口にしてしまいました。
「いやー。後から報道を見た限りでは、陸士隊の側は負傷者だけで、死者は一人も出てなかったみたいで、安心したんだけどねー。ただし、その報道では、船体がVの字のまま固まってる貨物船の映像が大写しにされて、その記事のタイトルが何故か、『破壊王ティアナ・ランスター、またもや大破壊!』だったのよー」
「え〜。その爆発は、ティアナさんとは関係ないんじゃないの〜?」
ノーラの抗議の声に、マチュレアとフォデッサは大きくうなずきました。
「うん。現実には、そのとおりなんだけどねー」
「アタシら、報道が捏造される現場を目撃してしまったっスよ。(笑)」
「正直な話、私らはあの一件以来、一般のメディアはあんまり信用しないことにしてるわー」
マチュレアは続けてこう語ります。
「それで、十日ほどして、そろそろ『ほとぼり』も冷めただろうと思って、8月の末にもう一度、同じ場所に行ってみたんだけどねー。密輸船の撤去作業なんかはようやく終わったところだったけど、埠頭はまだ修理中みたいな感じでさー」
「それと、十日前にはティアナさんが花束を置いていたはずのお墓が無くなって、更地に戻ってたんスよ。アレって、もしかして、祀り上げだったんスかねえ?」
エドガーはしばらく聞き役に徹していましたが、そこで不意に『ああ』と何かを思い出したような声を上げて、四人の視線が自分の側に向いてから、こう言葉を続けました。
「89年の8月でしたら、ティアナさんのお兄さんの祀り上げだと思います。確か、以前、『兄ティーダは自分が10歳の時に21歳で亡くなったが、〈メイラウネ事件〉の直後にその祀り上げを1年、前倒しで行なった』とか言っておられましたから」
ノーラはそれを聞きながら、いきなり手帳にメモを取りました。(笑)
こうして、ようやく「エドガーが〈ゲドルザン事件〉についてノーラたちに語る順番」が巡って来ました。
今からちょうど10年前、デヴォルザムの第三大陸「カロエスマール」の第二州都ウルバースでの、もっぱら旧市街を舞台とした事件です。
【この事件の概要に関しては、「プロローグ 第7章 第1節」を御参照ください。ここでは繰り返しません。】
それから2刻ほどして、エドガーがひととおりのことを語り終えると、四人の女性陸士はどっと息をついて、口々にこんな感想を漏らしました。
ノーラ「なるほど〜。それで、ティアナさんは『破壊王』なんて呼ばれるようになっちゃったんですね〜」
マチュレア「噂には聞いてたけど、ブレイカーって、本当にとんでもないスキルなんですねー」
フォデッサ「イッパツで表通りの両脇の街並みが丸ごと吹っ飛ぶとか、もう人間のするコトじゃないっスよ。(カ
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