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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
 【第2節】ティアナが〈破壊王〉と呼ばれる理由。
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は、アタシらもまだ世間知らずの中坊(ちゅーぼー)だったっスからね。まあ、そこんトコは大目に見てやってほしいっスよ。(笑)」

「で、ふと気がついたら、例の美人さんが港の方を見ながら、どこかと通話しててさー。私らは小声で、『あれ? もしかして、あの人自身も局員なのかな?』とか、話してたんだけどねー。その人が通話を終えてから……どうだろう? ほんの三十秒後ぐらいだったかなあ?」
 マチュレアの問うような視線にうなずいて、フォデッサはこう続けました。
「彼女が不意に北の空を見上げたから、アタシらもつられて振り返ったんスけど。……アレ、何て言うんスか? 市街地の方から『サーフボードみたいなモノ』に乗った人が、モノ凄い速さでこっちに飛んで来たんスよ」
「その人が、私らの頭の上あたりを通って、回り込むようにして貨物船の方へ飛んで行ったかと思ったらさー。その時にはもう、例の美人さんはいきなりバリアジャケットに着替えてて、両手に同じ形の銃を持ってたのよー」
「アレって、ホント、一瞬の早業(はやわざ)だったっスよね」
「え? 両手に銃って。じゃ、もしかして、その人がティアナ・ランスター執務官?」
 ノーラの早口に、フォデッサは大きくうなずいて、また言葉を続けます。
「アタシらは次の日になって、ようやくその名前を知ったんスけどね」

「多分、サーフボードの人は補佐官さんで、先の通話も、まずは陸士隊の方に『今、たまたま現場のすぐ近くにいるんだけど、手を貸そうか?』みたいな話をして、『是非、お願いします!』とか言われて、当局に飛行許可を取ってから補佐官さんを呼んだ、みたいな流れだったんじゃないかと思うんだけどねー」
「そしたら、執務官さん、次の瞬間には助走も無しに、いきなりトップスピードでバンと空に飛び立って! アレ、間近に見てて、マジ、ビビったっスよ。ホント、『ええ! 人間って、あんな風にいきなり飛び立てるんだぁ?!』って感じだったっス!」
「それまで、私ら、空士隊が隊列を組んで上空を飛んで行くのを見上げたコトはあっても、目の前で空士が飛び立つトコなんて、見たコト無かったからねー」

「空士って、みんな、あんな感じなんスかね?」
 フォデッサは不意に、エドガーの側に向き直ってそんな疑問をぶつけました。
「いや。『いきなりトップスピード』というのは、普通の空士には、ちょっと厳しいだろうと思いますよ。もちろん、執務官にとっては簡単なことなんですが……私自身も『翌日の筋肉痛を覚悟すれば、何とか』といったところでしょうか。(苦笑)」
「あー。やっぱり、体に相当な負荷がかかるんですね?」
「ええ。慣性コントロールは、かなり高等な魔法ですし……執務官のような、その種の魔法を使える人でも、特に急いでいない時には、やはり『軽く飛び立ってから、空中で順番に加速
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