【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第2節】ティアナが〈破壊王〉と呼ばれる理由。
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たことに少しばかり驚きながらも、背後からの音を全く気にしていないノーラの「期待に満ちた視線」に急かされるようにして、こう語り出しました。
「私らの地元は、エルセア西海岸のトーネスって港湾都市から東へ30キロあまり入ったトコロにある地方都市でさー。近場な上に、一本道だったから。私らは中等科の頃、学校が休みで晴れてる日には、よく自転車に乗って二人でトーネスまで大海廊を見に行ったりしてたのよー」
「え? 自転車で片道30キロって、結構あるでしょ。他に移動手段、無かったの?」
「うん。その一本道に沿って、レールウェイも走ってたけどさー。ほら、列車に乗ると、お金、かかるから」
「うわあ……。実家が貧乏だとは聞いてたけど、本当に小銭を惜しまなきゃいけないレベルの貧乏だったんだ?」
「うん、自慢じゃないけどねー。昼食代が出ないから、学校にも毎日、弁当を持参する生活だったよ。ほとんど主食しか入ってない、真っ白な弁当だったけどさー。(苦笑)」
「うっわ〜。育ち盛りの時期に、それはキビシイな〜」
ノーラは、自分だったらとても耐えられない、と言わんばかりの口調です。
「毎日、当たり前のようにオカズを分けてくれた当時のクラスメートたちには、今でも感謝してるよ」
「まあ、あの学校には性質の悪い男子どもも沢山いたっスから。アタシらは『女子生徒一同から、用心棒として餌付けされてただけだった』って話もあるんスけどね。(笑)」
二人は、そこで一口お茶を飲んでから、また話を続けました。
「そのトーネスって都市は、港湾施設と市街地が南北に少し離れてるんだけどさー。その港湾の側を丸ごと見下ろすことができる高台に『ポートフォール・メモリアルガーデン』っていう名前の公園墓地があってね。墓地の方はほとんど局員専用なんだけど、その北側にある公園の方は一般人にも開放されてるのよー」
「で、アタシらが3年生の時だから、もう6年も前の話なんスけどね。8月の中旬、夏休みに入って間もない頃の、平日のことっス。
その公園の南西の角地で、墓地にも隣接した場所には休憩所なんかもあったんスけど、その時、ちょうど大型の貨物船が一隻、埠頭に接岸したところだったんで。アタシらはその休憩所で、その船の様子とか見ながら、水筒の麦茶とか飲みながら、雑談まじりに進路の相談とかしてたんスよ」
【時系列としては、これは、カナタとツバサが地球からミッドチルダに戻って来た直後の出来事となります。なお、ポートフォール・メモリアルガーデンに関しては、「リリカルなのはStrikerS サウンドステージ04」を御参照ください。】
すると、ゼルフィは驚きの口調で
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