【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第1節】カナタとツバサは悩み多きお年頃。
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気まずくて、ヴィクトーリアはつい「要らぬコト」を言ってしまいました。
すると、双子はまた溜め息まじりにこう語ります。
「ボクらは、6歳の時にはもうミッドに戻って来ちゃいましたからネ」
「地球には、学校に上がる前の幼児が集まる『幼稚園』という施設もあるんですが……正直な話、私たちは、当時の知り合いなど、もう顔も名前も覚えてはいません。……と言うより、彼等の方がすでに私たちのことなど覚えてはいないでしょう」
「一貫校に入学した時も、7歳児は明らかにボクら二人だけで、他の生徒は、みんな、初等科学校を卒業して来た12歳の人たちばっかりでしたからネ」
「大人になってしまえば、四歳や五歳の齢の差など、大した問題ではないのかも知れませんが……7歳児と12歳児では、さすがに『対等の関係』を築くという訳には……」
双子の言葉は、そこでまたプツリと途切れてしまいました。
おそらく、魔法一貫校ではそうした年齢差ゆえの苦労もたくさんあったのでしょう。あからさまなイジメは無かったにせよ、二人の『特別あつかい』に対する妬みや中傷なども少なからずあったはずです。
ヴィクトーリアも、これには一体どう返せば良いのか解らず、とっさには言葉が出て来ませんでした。
それでも、ザフィーラは両腕を左右に伸ばし、二人の背中を軽くポンポンと叩きながら、あえて明るい口調で双子にこう語りかけました。
「なぁに、お前たちは、まだこれからだよ。アインハルトだって、12歳になってヴィヴィオたちに出逢うまでは、友人など一人もいなかったんだし、ティアナだって、13歳で陸士訓練校に入り直してスバルに出逢うまでは、完全に一人ぼっちだったんだ。何も、幼馴染みばかりが生涯の友人という訳でもないだろう」
「それは……まあ、そうなんですが……」
「それに、普通の境遇の人間でも、早ければ13歳で陸士になる。今、お前たちがいる部隊にも、そろそろ同年代の新人が入って来ている頃合いなんじゃないのか?」
確かに、ギンガやスバルのように五年制の初等科学校と一年制の訓練校だけを卒業してすぐに陸士になれば、普通はその時点で13歳のはずです。
それでも、カナタとツバサの反応は、今ひとつ鈍いものでした。
「だと良いんですけどネ〜」
「その場合、問題はむしろ『私たちの方が、いつまであの部隊に在籍していられるのか?』ということですねえ……」
それを聞くと、ヴィクトーリアがまた、ふとこんな言葉を差しはさみます。
「やっぱり、いずれは空士に転向する予定なの?」
「いえ。決して『今すでに具体的な予定がある』という訳ではないのですが……」
「一応、ウチの部隊長たちは、そのつもりでいるみたいですヨ」
「そうなの?」
「ええ。実
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