【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
【第1節】カナタとツバサは悩み多きお年頃。
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投げしました。
「エドガーさんは、お話、上手なんですヨ」
「私たちも、今、いろいろと説明してもらっていたところなんです」
カナタとツバサも、すかさずそう言葉を添えます。
「それでは、エドガーさん。よろしくお願いします!」
ノーラは嬉々とした表情で、深々と頭を下げました。
「解りました。しかし、まずは、皆さんを向こうの陸曹三人組に御紹介しておきましょう。先程から、何やら視線を感じますので」
「では、それが終わった頃を見計らって、皆さんにもお茶をお出ししますね。皆さんは、どういうお茶がよろしいですか?」
コニィにそう訊かれて、マチュレアはふとテーブルの上に視線を落としてから、無難にこう答えます。
「えーっと。じゃあ、カナタやツバサと同じのを六つ、お願いします」
「解りました」
「え? いいんですか?」
ゼルフィはとっさに訊き返しました。両腕の肘から先を前へ伸ばし、指を少し拡げて掌を上に向けているのは、『何か手伝わなくても良いんですか?』というジェスチャーです。
「ええ。私は元々こちらが本職ですから。皆さんは、どうぞ、あちらで御歓談ください」
そして、コニィがミニキッチンの側へと移動し、エドガーも席を立つと、今度は、ディナウドが不意に、ザフィーラに向かって何やら申し訳なさそうな口調でこんな言葉をかけました。
「あの、すみません。……じきに他の六人も来ると思うのですが、どうも椅子の数が足りないような……」
どうやら、割と細かいところにまで気が回る若者のようです。
「そうだな。……取りあえず、あと三脚あれば、いいのか」
ザフィーラはそう言って席を立ち、カナタの後ろを通って壁際に歩み寄ると、壁のくぼみに指をかけて、その壁の奥からガラガラと収納庫を引っ張り出しました。車輪つきの大きな引き出しの中に、今すでに出ているのと同じ型の椅子がずらりと並んでいます。
「それぞれのテーブルの横側に、一脚ずつ足しておけば良いだろう」
ザフィーラはそんな指示を出しながら、男性陣(エドガーとディナウドとガルーチャスの三人)に椅子を一脚ずつ手渡しました。三人は速やかにその指示に従い、ザフィーラも収納庫を元に戻して、また自分の席に着きます。
そして、エドガーは陸士らとともに左側のテーブルへ歩み寄ると、まずは手にした予備の椅子をそこに置き、自分と同室の陸曹たち三人を陸士らに紹介した上で、今度はその陸士ら六人を陸曹たちに順番に紹介していきました。
まず、マチュレアとフォデッサの紹介が済むと、バラムがすかさず二人にこう言葉をかけます。
「そう言えば、君たち二人には、昨年、カルナージで会っているな」
「あー、良かったー。忘れられてなかったー」
「うむ。あの宴席での見事な食べっぷりは、なかなか忘れられるものではな
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