暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第5章】第二次調査隊の艦内生活、初日の様子。
 【第1節】カナタとツバサは悩み多きお年頃。
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
さっきも向こうの部屋で『いわゆる「六課メンバー」には、執務官が二人もいて……』みたいな話をしていたんです」
「はい! それで、もし良ければ、フェイト・ハラオウン上級執務官やティアナ・ランスター執務官について……もちろん、特秘事項などには抵触しない範囲内で……実際の人物像とか、こぼれ話とか、担当した事件の話とか、何かしら御存知のことなど、お聞かせいただけたら有り難いなあ、と思いまして!」

「そうねえ……」
 ヴィクトーリアはふと小首を(かし)げるふりをして、カナタとツバサに問うような視線を向けました。すると、双子からはすかさずこんな念話が返って来ます。
《すいません。さっき、話の流れで、ボクらの母親が「高町なのは」だってコトは(しゃべ)っちゃったんですけど……。》
《執務官の親族関係は、すべて第三級の特秘事項だと聞いていましたから、私たちもフェイト母様については一切、言及していません。アインハルト兄様についても、「お隣のお兄ちゃん」という設定で処理してありますので、口裏合わせの方、よろしくお願いします。》
《なるほどね。解ったわ。》

 そんな念話を素早く済ませると、ヴィクトーリアはこう言って、話題を「特定の方向」へと誘導しました。
「私は、フェイトさんとは、公私ともに不思議なほど御縁(ごえん)が無いのだけど……ティアナさんとは逆に不思議と縁が深くて、お仕事だけでも、もう三回ほど御一緒させていただいたことがあるわ」
「合同捜査ってヤツですよね? そういうのって、やっぱり、最初からチームを組んでコトに当たったりするんですか?」
 いつもの「()()びした口調」は一体どこへ行ったのか。ノーラは、もう完全に「オタク特有の早口」になっています。
「まあ、そういう状況も、全くあり得ないとまでは言わないけど、執務官は基本的に単独行動が原則だから、『最初は互いに別の事件を担当していたけれど、捜査の過程で双方の犯人が同一人物、もしくは同一組織だと解って、そこからは協力して捜査を進める』という状況の方が、むしろ普通よ。実際、私とティアナさんの合同捜査は、三回ともそういう流れだったわ」

「それは、それぞれ、どういう事件だったんでしょうか?」
「そうね。まず、85年には、デヴォルザムでの〈ゲドルザン事件〉でしょ。それから……いや、88年の〈ペレクス事件〉と92年の〈グヴェラズム事件〉は、特秘事項が多すぎて迂闊(うかつ)には話せないわねえ……。
 自慢にはならないけど、私はちょっと口の軽いところがあって、うっかり喋ってしまうかも知れないから……悪いんだけど、やっぱり、〈ゲドルザン事件〉についても、具体的な話は、こちらの執事から聞いてくれるかしら?」
 ヴィクトーリアはそんな「もっともらしいコト」を言って、面倒な説明を再びエドガーに丸
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ