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まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて
第1章
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「おい 貞子 お前の髪の毛 ミミズがはっているみたいで気持ち悪いんだよ なんとかしろよ ブス」

 又、勝《まさる》がかまってきていた。私は、下を向いて自分の手を見つめ、聞いていないふりをしていた。それでも、ひどい時には、ピンセットをもちだして、つままれたりしていじめられていた。周りの子も知らんぷりで、男の子なんかはむしろ楽しんでいた。中には、女の子も・・。きっと私のことを同性と思っていないんだろう。実験材料の蛙とかミミズ程度にしか。彼女達にとっては私は人間では無いのだ。自分に近寄らせてはいけない存在なのだ。

 確かに、私は、後ろでゴムで止めているだけなんだけども、髪の毛を真っすぐにしても、直ぐに、天然パーマじゃぁないけどみみずがはったようにくねくねとしてしまうのだ。それに、いつも下を向いているから、すだれのような前髪から、たまに、覗くギョロっとした眼が、周りからすると気持ち悪いらしい。それに、私の名前は紗奈《さだ》と言うのだけど、見た目で映画に出て来る貞子とからかわれるのだ。

 小学校の時は、隣の席の充《みつ》君が仲良くしてくれていたので、友達もそれなりに居た。特に、私は充君とは仲が良かったので、貞光ペァとか呼ばれていた。充君が傍らにいる時は、勝もかまってこなかった。充君とは同じ中学に進んだのだけど、クラスも別れてしまって、女の子の友達もだんだんと離れていってしまって、そのうち、皆から、からかわれるようになってきてしまっていた。

 最初は、私も、反論して相手にしていたが、そのうち、無視するほうが気楽だと思うようになって・・女の子の友達も関わりを持つのが嫌なのか、だんだん居なくなってしまった。クラスの中でも、居ても教室の隅にあるモップとかと同じ存在なのだ。関わったりすると、夜にTVから現れるよー とかこそこそと言っているのを聞いたこともあった。

 仲良くしてくれていた充君も違うクラスになったせいで、廊下なんかで会っても「オー」と短く言ってくれるだけで、向こうは何人かの男の子と一緒だから、照れている面もあったりするのかもしれない。私は、それでも、彼の顔を見ると安心していた。だけど「充 よく あのブスの貞子なんかに声かけられるなー やめとけよ  呪われて、あの眼ん玉に喰いつかれちゃうぞー」と、仲間から、からかわれている声が聞こえてきていた。そんな時には、私は充君に申し訳なくて、こんな私は生きている意味があるんだろうか?とか考えたりもしていた。

 そのまま、中学の卒業式を迎えて、お別れの時、充君が私に話しかけてきて何かを言おうとしたんだけど、私は「あっちに友達が待っているよ」と、思ってもないことを・・すると「離れてしまうけど、大学は一緒のとこ行こうな」と突然、言い出したまま行っちまった。「なによー 突然 なんなのー もっと ちゃん
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