第一章
[2]次話
見たことのない悪夢
野坂知理は朝起きてこれ以上はない程沈んでいた、それで姉の知恵に尋ねられた。
「どうしたのよ」
「暗い?」
「物凄くね」
背が高く黒髪を後ろで束ね細面に切れ長の目と小さな赤い唇と高い鼻を持つスタイルのいい姉はこう妹に言った。
「そう見えるわ」
「いや、実はね」
知理は姉に答えた、小柄だが胸は大きくやや丸顔で黒髪をボブにしている。大きな丸い目でピンクの唇は大きい。
「物凄く悪い夢見たのよ」
「どんな夢よ」
「友達と思っていた娘達にある男の子が自分を好きだからって言われて」
そしてとだ、知理は暗い顔のまま答えた、二人共まだパジャマ姿だ。
「それならって思ってね」
「告白したのね」
「そうしたらその子に断られて」
その告白をというのだ。
「友達と思っていた娘達がその瞬間にね」
「あっ、掌返しして」
「適当な理由言ってきて」
そうしてというのだ。
「縁切ってきたのよ」
「そうなのね」
「それで振られたことをね」
まさにこのことをというのだ。
「学年中に嗤われたわ」
「クラスどころか」
「友達誰もいなくなって」
それでというのだ。
「そのうえでね」
「ああ、そうした展開だとね」
姉は妹の話をここまで聞いたうえで述べた。
「もう絶望するわね」
「正直起きて夢だったってわかって」
「ほっとしたでしょ」
「夢の中でどれだけ絶望したか」
それこそという言葉だった。
「もうね」
「言うまでもないわね」
「地獄だったわ」
「そこまでの悪夢だったのね」
「目の前が真っ暗になって」
そうしてというのだ。
「これからどうしようって思う位」
「私失恋とか告白の経験ないけれど」
「お姉ちゃんずっと同じ人と付き合ってるしね」
「高校一年からね」
「そうよね」
「今三年だけれどね」
それでもというのだ。
「そうだけれどね」
「高校一年の時に相手の人から告白されて」
「外見結構タイプでね」
それでというのだ。
「性格もよかったから」
「告白受けて」
「今も付き合ってるわ、けれどあんたはね」
同じ高校に通う一年生の妹に話した。
「どうなるかしら」
「入学したばかりだけれど友達三人出来たわ」
知理は姉に正直に答えた。
「クラスにね」
「それで夢に出て来た友達何人?」
「三人だったわ」
「同じね。まさかと思うけれど」
知恵はまずは少し考えた、そのうえで妹に言った。
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