第二章
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「この宮殿の前にいる」
「そしてですね」
「オロクン様に会い」
「そのうえで」
「この宮殿の中に招いてな」
そうしてというのだ。
「渡すべきものを渡してな」
「国を餓えから救いますね」
「その様にしますね」
「そうする」
こう言ってだった。
オロクンは椰子の実を使ってアジャイを言った通りに宮殿の前に導きそこにいた門番の者達に彼を自分の前に連れて来る様に言った。
神は玉座に座ってだ、若者に問うた。
「そなた家族それに国を餓えから救いたいな」
「はい、何があっても」
アジェイは曇りのない顔と声で答えた。
「誰もが苦しんでいますから」
「そうだな、余も創造神と話したが」
オロクンは威厳に満ちた声で答えた。
「国を救うことは決まった」
「そうなのですか」
「国の人も生きもの達もな」
「有り難うございます、神々がそう決めて頂けるとは」
アジャイは感涙して応えた。
「嬉しいです」
「そう思うか」
「是非皆を救って下さい」
「わかった、ではこれを渡そう」
従者の一人にスプーンを持って来させてそれを人間の青年に持たせて告げた。
「このスプーンにお前の務めは何かと尋ねるのだ」
「そうすればいいのですか」
「するとスプーンから多くの様々な食べものが出て来る」
「それを人や生きものに食べさせられるのですね」
「そうだ、これで以てな」
「国を救うのですね」
「そうするのだ」
こうアジャイに微笑んで告げた。
「これから」
「わかりました、それでは」
アジェイはスプーンを持って恭しく一礼した、そしてだった。
海神に家まで送ってもらいまずは家族にスプーンから出た者を振舞って王にも事情を話して国のあらゆる人や生きものにだった。
食べものを振舞った、そうして飢饉が終わるまでスプーンに働いてもらった。飢饉が終わると王はアジャイに言った。
「何でも神々に頼るのもよくない」
「そうなのですか」
「それでは人は。私も努力しなくなるからな」
「それで堕落しますか」
「飢饉は終わった、後は我々だけでだ」
「やっていきますか」
「だからスプーンはオロクン神にお返ししよう」
こう言って実際にだった。
王はアジェイに言ってスプーンを返させた、そして彼等は努力して生きていくことにし実際にそうしていった。
だが国にダメカという小さな目に如何にも卑しそうで柄の悪い事実そうした性格で人々から嫌われている人間としての徳分なぞ全く持たない欲深な男がいた。
彼もまたスプーンによって救われたがスプーンがオロクンに返されたと聞いて勿体ないそれなら自分が貰って好きに使おうと思ってだ。
アジャイにスプーンをどうして貰ったかを聞いてだった。
オロクンの宮殿に赴いた、すると海神は彼に鞭を渡さ
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