第二章
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二人で一緒に祭りに出た、一緒に住んでいるマンションからだ。
それぞれシューズと草履を履いて祭りに出た、祭りが行われている神社の境内に行くと出店が左右に並んでいて。
夫は妻にだ、笑顔で言った。
「何を買おうか」
「何でもいいでしょ」
これが妻の返事だった。
「それで食べたらね」
「たこ焼きでもお好み焼きでも」
「焼きそばでもね」
「そうだね、じゃあ色々買って」
妻の言葉に頷いて言った。
「ビールも買って」
「飲んで食べてね」
「楽しもうか、それに」
夜の中出店の灯かりと左右に行き交う人達を横目に見つつさらに言った。
「甘いものも」
「買いましょう」
「たい焼きもあるし」
丁度傍にその店があったので話に出した。
「りんご飴にクレープもあるし」
「鈴カステラもね」
「そっちも色々あるし」
「そういうのも買って」
「食べましょう」
「二人でね」
こう話してだった。
二人で色々買って祭りの場所の脇にシーツがあったのでその上に座って一緒に買ったものを食べながら缶ビールを飲んだ、そこで花火も上がったが。
花火を見てだ、夫は妻に言った。
「そういえば」
「どうしたの?」
「いや、これまでデートも色々してきたけれど」
「結婚前も今もね」
「けれど」
それでもというのだった。
「こうしたデートはね」
「しなかったわね」
「本当なら」
浴衣姿でフランクフルトを食べる妻に言った、彼女は女性の座り方で夫は胡坐をかいてそこにいる。
「学生の頃とかに」
「こうした場所に一緒に行って」
「それで楽しむけれど」
「私達はしなかったわね」
「知り合ったのはお互い働いていて」
「今も共働きで」
「こうしたデートは」
今思えばだった。
「しなかったね」
「そうね、私は今日早くて」
それでというのだ。
「帰りにね」
「夏祭りのことを知って」
「それでなのよ」
「僕も誘ったんだ」
「そうなのよ」
「それで浴衣に着替えて」
「こうしてね、実は浴衣は」
夫に笑って話した、ビールを飲んでいる彼に。
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