第二十章
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「心でなるものだ」
「心、ね」
「その心がある限り幾らでも強くなれる」
「じゃあその強さ。見せてもらうわ」
女の声は笑っていた。二人の戦いも今はじまった。
左とフィリップは屋敷の中を進んでいく。彼等が次に辿り着いたのは。
暗い大きな部屋だった。フィリップはその中央にある井戸を思わせる穴を見て左に対して言った。
「ここだよ」
「あの穴の中か」
「そう。あの中の奥にスサノオがいる」
こう左に話す。下から来る緑色の光に照らされながら。
「行くね、それじゃあ」
「行くしかないな。けれどな」
ここでだ。左の言葉が止まった。
「その前にやることがあるな」
「正確に言うとやらなければいけないことだね」
「ああ、来たぞ」
前からだ。彼等が来た。来たのは一人ではなかった。
大道に加頭、それにだ。
あの女もいた。左がその白い服の妙齢の、冷徹な赴きの女を見て言った。
「御前は財団よ」
「その通りよ。私の名前はネオン=ウルスラウンド」
こう自分から名乗ったのだった。
「財団エックスの幹部の一人よ」
「財団か」
「それだというんだね」
「もっと言えば責任者と考えてもらってもいいわ」
その女ネオンは二人にこうまで言うのだった。暗い洞窟の入り口を思わせる部屋の中でだ。二人と三人がそれぞれ対峙しえいる。
「そうね」
「その責任者がここで出て来たということはだ」
「井戸の中には」
「それを知りたければだ」
大道が鋭い声で二人に告げた。
「俺達を倒すことだな」
「そうだ。君達は今は二人で一人だが」
加頭も二人に対して告げる。
「あの女からメモリを貰ったな」
「ああ、貰った」
「確かにね」
「それを使うことだ」
「そしてそのうえでか」
「君達と戦う」
「我々は三人いる」
また言う加頭だった。
「しかし君達は二人で一人だ」
「これでは流石に不公平だと」
ネオンも話す。
「あの方が貴方達にということになったのよ」
「話はもう聞いているよ」
フィリップがそのネオンに対して返した。
「その戦いを観て。楽しみたいというんだね」
「俺は別に構わなかったのだがな」
大道はその顔に残虐なものを見せながら話す。
「俺を一度倒した御前等を完全に倒せればそれでな」
「しかしあの方は違うわ」
ネオンは大道だけでなく二人も見ながら話す。
「何故ミュージアムだったのかはもうわかっているわね」
「観るのは園咲家でも俺達でもなく」
「あの神だった」
こう答える二人だった。
「そういうことだな」
「間違ってはいないね」
「正解よ」
ネオンは二人のその言葉ににこりともせず返した。
「やはりわかっていたのね」
「そうとしか考えられないからな」
「あの神の今までの行動
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