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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
やっと言えたその言葉
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参加したのも、錬金術を交えた人体の治療技術を極めたいからでしたので」
「へ〜、そうだったんだ」
「何か理由でもあったんですか?」

 初めて耳にする、アリスのパヴァリアへの参加理由に素直に興味を引かれる奏。一方響は、アリスの様子から何かを感じ取ったのか首を傾げた。普通の医学ではなく錬金術に頼ろうとしたという事は、それ相応の理由があると気付いたのだろう。それにいち早く気付く事が出来る辺り、やはり彼女は馬鹿ではあるかもしれないが愚かではない。

 意外と聡い響からの問いに、アリスは苦笑すると口元に指を当てて答えた。

「それに関しては、またその内に」

 はぐらかすようなアリスの言葉に、響は納得いかないと言いたげに唇を尖らせた。

「むぅぅ〜、了子さんと言い大人の女の人って何でこんなガード硬いんだろ」
「響さんも大人になれば分かりますよ。さ、私はそろそろ仕事に戻りますので、皆さんも戻ってください」
「ほら、立花」
「は〜い」
「それじゃあ義母さん。あんまり無理するなよ?」

 響は翼に背中を押され、奏はアリスに手を振りながら離れていく。それを見送ったアリスは、彼女達の姿が見えなくなると、心から安堵したように大きく息を吐いた。

「”今度は”……ちゃんと正しい事に私の知識が役に立てられましたね」

 誰に言うでもなく呟かれたその言葉は静かに廊下に消えていき、次いでアリスは気合を入れるように自らの頬を叩くと踵を返して自身の工房へと向かっていくのだった。
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