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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
やっと言えたその言葉
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透の喉の治療を行ったのであった。
「ハンスの治療でもう離れられなくなってるんだから、今更って気もするけどな」
「ちょっと、奏……」
「あぁ、いや、ゴメン義母さん。別に悪気があって言った訳じゃ……」
「いえ、奏さんの仰る通りです。彼らには悪い事をしました」
透に対し治療を施さずにいた事を、アリスも大分悔いているらしい。奏の何気ない言葉にシュンと肩を落としたアリスに、奏もしまったという顔になって頭を掻く。
そこで部屋から透とクリスが出てきた。2人共大いに泣き腫らしたのか、目が赤くなっておりクリスに至ってはまだしゃくりあげながら鼻をすすっている。透はそんな彼女を支えながら、改めてアリスに頭を下げた。
「アリスさん、本当にありがとうございます。お陰でこうして、またクリスと話が出来るようになりました」
「あ゛り゛、がど……う゛ぅ゛……、グスッ!」
まだ涙が収まらないのか、クリスの目から涙が零れ落ちる。透がそれをハンカチで拭っているのを、奏達は温かい目で見ていた。
「良かった〜、透君が喋れるようになって」
「うむ。これで今までより円滑に意思疎通が出来るようになったな」
透との意思疎通はこれまで基本的にペンとメモを用いた筆談であり、非常時には魔法を用いての筆談も交えていた。それでも何とか意思疎通は出来ていたが、やはり思いを言葉にするのとは全く違う。書かれた文字では感じられない温かさがあった。
「すみません、透君。今まで、不便な思いをさせてしまって……」
「いえ、仕方のない事です。お2人にも事情があったのでしょうし」
「それでも、です。こちらの事情など、言い訳にもなりはしません」
義理堅い性格なのか、アリスも頑として譲らない。このままだと謝罪と許しの堂々巡りとなってしまいそうな雰囲気を感じ取った奏は、2人の間に入って間を取り持った。
「はいはい、そこまで。義母さんも透も、もういいだろ? ほら、クリスももう泣き止めって」
「うるぜえッ! 別に、泣いてなんか……グスッ」
「分かった分かったから。それより、透が喋れるようになった事を伝えたい相手が他にも居るんじゃないのか?」
「あ、そうだ透ッ! 早くおじさんにも教えないとッ!」
「うん! それじゃあアリスさん、本当にありがとうございました!」
透は改めて頭を下げると、クリスと共にその場を離れていった。恐らくは航に声が戻った事の報告に向かう為だろう。息子の声が失われた事を悲しんでいた彼も、透の声が戻った事を聞けば喜ぶに違いない。
そんな事を考えつつ、翼は現代医療では不可能と思われていた透の声を取り戻したアリスの手腕に舌を巻いた。
「それにしても、見事なものでしたね。まさか本当に北上の声を戻すだなんて」
「元々私が結社に
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