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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
やっと言えたその言葉
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ていた。フィーネの屋敷で再会してから、ずっと言葉にする事叶わなかったその一言。心で通じ合いはしたが、それでも何度か夢想した互いの言葉を耳で聞くという何気ない、だが失われてしまった筈の普通の事。
それが今漸く帰ってきた。それは即ち、本当の意味で透が夢を追いかけられるようになったという事に他ならない。それはただ単に怪我が完治したと言う事以上の歓喜となって、2人の心を満たしていた。
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
喜びと感動を抑えきれないクリスが、透に抱き着き大声で泣いていた。透はそんな彼女を受け止めつつ自分も涙を流し、アリスは暫く2人をそっとしておこうと静かに部屋を出た。
「明星女史」
「あら……」
アリスが部屋を出ると、そこには翼が佇んでいた。否、翼だけではない。響に奏と言った、元二課組の装者達が揃っていたのだ。
どうやら彼女達も何だかんだで心配と期待でジッとしていられなかったらしい。或いは期待と不安で足が動かなくなったクリスを、3人掛りで背中を押した可能性もあった。
それを態々問い詰める程アリスも野暮では無かったので、彼女らがここに居る理由を態々聞いたりはしなかったが。
「透君の事なら大丈夫です。処置は無事に終わり、今はクリスさんと久し振りの会話を楽しんでいるでしょう」
「会話……してる余裕があるのか?」
先程アリスが部屋から出てくる時にも、大音量でクリスの泣き声が廊下に響いていた。それが悲壮さを感じさせるものではない事と、アリスの様子も合わせて奏達は中がどうなっているのかが容易に想像できた。正直、暫くはクリスも泣き続ける事になり、会話どころでなないだろうと思われる。まぁそれも仕方ないだろう。何しろ失われたと思っていた透の声と夢が帰ってきてくれたのだ。普段強気な態度と口調で誤魔化しているが、生来は優しく感受性豊かなクリスである。感動と歓喜で暫くはあのままだろう。
改めて部屋を見て笑みを浮かべるアリスに対し、響は彼女の手を取り自身も感謝と喜びを露にした。
「あの、ありがとうございます! 透君の喉を治してくれて」
響からの混じりけの無い感謝の言葉に、アリスは照れ臭そうに、そして何処かバツが悪そうに頬を掻きながら答えた。
「いえ……本当は出会って直ぐに処置を施したかったのですが……」
あの頃は輝彦もこんなに長く濃密な関係になるとは思っていなかった。なので情が移ったり必要以上に自分達の情報が渡ったりしないようにと非情に徹し、結果として治す手段はあるのに手を出さないという対応を取らされ続けていた。その事をアリスは恥じ、申し訳ないと言う思いをこの日まで抱き続けてきた。
だがそれももう終わりだ。これからは本当の意味で彼らの力となる。その証の第一歩として、アリスは
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