【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第6節】ヴィクトーリアの個人的な問題について。
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とかも、一度きちんと書いてみてほしいよね。……あ〜。何だか、だんだん気になって来た〜」
「やはり、ある程度の年齢になると、誰しも自分のルーツは気になるものですよねえ」
エドガーはにこやかにそう言って、一連の会話を締めくくったのでした。
すると、ちょうどそこへ、コニィがまた四つの茶碗を乗せた大きなお盆を手に、ミニキッチンの方へと戻って来ました。
ツバサはふと、小声でそれを呼び止めます。
「あ、コニィさん。そう言えば、先ほど、フェルノッド陸曹の呻き声が聞こえて来たような気がしたんですけど……彼、大丈夫でしたか?」
「いやあ。苦味が全くダメな人って、ホントにいるんですねえ」
コニィは心底呆れ果てたような口調で苦笑いを浮かべました。
《ああ〜。やっぱり、リンディお祖母様と同じタイプの味覚の持ち主だったか〜。》
《まあ、ジョーさんとの会話からして、何となく予想はついてましたけどね。》
カナタとツバサの目から見ても、やはり、リンディの味覚はちょっとおかしいようです。
一方、コニィは続けて、溜め息まじりにこう語りました。
「他のお二人は、普通に飲んでくれたんですが……あの人だけは、一口飲むなり、『頼むから、これには砂糖を入れさせてくれ』などと、ほざきやがりまして」
「コニィ。人前でその言葉づかいはダメよ。(苦笑)」
「ああ。すみません、お嬢様。つい、いつもの癖で」
《……いつもは一体どんな口調で喋ってるんだろう……。》
《何だか怖いから、それは訊かないことにしましょう。(笑)》
「先日、採れたばかりの今年の新茶ですから、よく味わえば、ほのかな甘味もするはずなんですけどねえ……。結局、半分ちかくも残されてしまいました」
コニィは引き続き不機嫌そうな表情です。
それを見て、ツバサは話題を変えようと、ひとつ基本的な質問をしました。
「やっぱり、新茶は味が違うんですか?」
「ええ。普通は、同じ木から年に四回ほど葉を摘むんですが、基本的には、回を追うごとに苦味が増していきます。……ところで、実は、昨年の四番茶も持って来ているんですが、お二人とも、おひとついかがですか?(ニッコリ)」
《それって、「一番苦い抹茶」って意味だよね?!》
《ええ。ここは丁重にお断りしておきましょう。》
そこで、カナタはとっさに「いつもの言い訳」を使います。
「すいません。せっかくですけど、ボクら、味覚がまだコドモですから」
「解りました。それでは、仕方がありませんね」
コニィはにこやかに笑って、そのままミニキッチンの方へと歩み去って行きました。
それを見送ってから、ザフィーラは実にしみじみとした呆れ顔で、双子にこう語りかけます。
「普段は、オレたちがコドモ
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