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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
 【第6節】ヴィクトーリアの個人的な問題について。
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スラと出てくるあたり、さすがは名家って感じですネ」
「そこへ行くと、高町家は普通の家庭ですからねえ。私たちは、自分の曽祖父母なんて、名前すら出て来ませんよ。(苦笑)」
「て言うか、ボクらはそもそも、士郎お祖父(じい)様からも、桃子お祖母(ばあ)様からも、親の話なんて聞いたコト無いよネ?」
 ツバサはそんなカナタの言葉に、すかさず『ええ』とうなずいてしまってから……ふと何かを思い出しました。
「あ! でも、リンディお祖母様からは何か聞いたことがありませんでしたか? 確か……父親が早くに亡くなったから、自分は長らく母親と二人きりの母子家庭で育った、とか。その母親も、自分がクライドさんと結婚した直後に亡くなってしまったから、結局、孫の顔を見せてあげることはできなかった、とか……」
 それを聞くと、カナタはしばらく考え込んでから、不意にポンと手を打ちました。
「ああ。そうそう、思い出した! 母親の名前が……確か、ディサ・キャネリア。父親の名前が……ちょっと珍しい名前だけど、確か、ヴェラルドだ!」

「おいおい。ヴェラルドなら、別に珍しくも何ともないだろう」
 ザフィーラは「昔の知識」に基づいて、思わずカナタの言葉にそうツッコミを入れてしまいました。
「え? そうなの?」
「私たちとしては、ミッドに来てから一度も聞いたことが無い名前なのですが……」
 これには、エドガーがまたこんな解説を加えます。
「ああ。ヴェラルドは、確かに、今ではもう滅多に見られない名前ですね。……しかし、人の名前にも、やはり『流行(はや)(すた)れ』というものがありまして。旧暦の400年代半ばから新暦の初め頃までは、男子のヴェラルドは、女子のミゼットと並んで、とてもよくある名前でした。
 特に……リンディ元提督のお父上ならば、おそらく、生まれはちょうど改暦の頃かと思われますが……百年ほど前のミッドでは、男子のおおよそ七人に一人がヴェラルドと、女子はおおよそ六人に一人がミゼットと、名付けられていたのだそうです」

「へ〜。じゃあ、当時としては、『一番多い』ぐらいの名前だったんだ!(吃驚)」
「そうですね。今でも80歳以上の高齢者の中には、時おり見受けられる名前ですよ」
「え? でも、リンディお祖母様は、ファストラウムの生まれなんですが……それは、あの世界でも同様だったのですか?」
 これには、さしものエドガーも少し言葉に詰まってしまいました。
「……いや。私もさすがに、百年前のファストラウムの事情まではよく解りませんが……。あるいは、そのヴェラルドさんは、ミッドで生まれて早くにファストラウムへと移り住んだ(かた)だったのかも知れませんね」
「その辺りの話も、また機会があったら、リンディお祖母様に訊いてみたいですねえ」
「うん。できたら、高町家の系図
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