暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
 【第6節】ヴィクトーリアの個人的な問題について。
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サから見れば、それは充分に「高望み」の(たぐい)でした。


 また、ヴィクトーリアは、エドガーの視線から何か「無言の圧力」でも感じ取ったのか、ふと視線だけを執事の側に向けて、横目でこう反発を続けます。
「それに……私は、下手な男と一緒になるぐらいなら、生涯独身でいた方が良いのよ。家名なら、兄がもう立派に継いでくれてるんだし……。〈継承者〉だって、『先代の〈継承者〉の直系の子孫にしか現われない』という訳じゃないんでしょ?」
「それは、そうですが……」
「え? その〈継承者〉っていうのは?」
 カナタはその単語に反応して、二人の会話にいきなり割り込みをかけました。アインハルトが覇王クラウスの〈記憶継承者〉なので、やはり、その種の単語にはどうしても敏感になってしまうのでしょう。
 もちろん、それはかなり不作法な行為だったのですが、ヴィクトーリアはそれを気にする様子も無く、むしろ「これ(さいわ)い」とばかりにエドガーとの会話を一方的に打ち切り、説明を始めます。
「私も先程、自分には『一族の血に由来する、強い魔力』があったから、という話をしたけれど、当家には昔から、そうした〈雷帝の力〉を強く受け継ぐ者が、必ず隔世遺伝で、おおむね三世代に一人ぐらいの割合で現れるの。それで、当家では独自に、そうした人物のことを〈継承者〉と呼んでいるのよ」

 そこで、エドガーも仕方なく(?)主人(あるじ)への追及を諦め、また解説をする側に回りました。
「先代の〈継承者〉は、先の話にも出て来た、お嬢様の曽祖父に当たるテオドール様です。職業もお嬢様と同じ執務官で、魔法の資質もお嬢様と非常によく似たタイプで……お嬢様のデバイスも最終的に、基礎フレームなどはテオドール様のデバイスを参考にして造られました」
「曽祖父は、私が6歳の時に、81歳で亡くなってしまったのだけれど……当家では、曽祖父に二人目の妹が生まれて以降、60年以上もの間、女の子が生まれていなかったせいかしら。私は生まれた時から、曽祖父には随分と可愛がられて……。私のヴィクトーリアという名前も、その曽祖父がつけてくれたものなのよ」
「身内自慢になってしまい、恐縮ですが、往年のテオドール様は、局全体の中でも指折り数えるほどの優秀な執務官でした。元〈三元老〉のミゼット・クローベル提督がまだ現役で活躍しておられた頃、特に新暦10年代から20年代にかけては、何か問題が起きた世界へと赴く提督の御座艦(ござぶね)に、よく指名を受けて同乗しておられたそうです」
 それは、ヴィクトーリア執務官が今、八神はやて提督からの指名を受けて、この〈スキドブラドニール〉に同乗しているのと似たような感じだったのでしょうか。

 そこで、カナタはふと、感嘆の声を上げました。
「いやぁ。それにしても……三世代も前の人の話がスラ
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