【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第6節】ヴィクトーリアの個人的な問題について。
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部』以外の一体どこで行われているんですか?」
「ああ。皆さんが普段、教会本部と呼んでいる建物は、実際には、今では教会『騎士団』の本部なんですよ。聖王教会という組織が最初に設立された頃には、実際にあの辺りに総本部があったという話ですが、後に『司祭団』の本部や『修道会』の本部はベルカ自治領のもっとずっと奥の方へと移転しました。そのため、今では三巨頭会談も、普段は修道会本部の直営地にある『秘密の庭園』で催されているのだそうです。
一方、騎士団は昔から、ミッド中央政府や管理局に対する『対外交渉窓口』のような役割をも担って来たので、今も自治領の南端部、首都クラナガンにも近い側に居残り続けている、という形ですね」
ここで、ヴィクトーリアが再び会話に加わりました。
「ちなみに、グラシア家は、ベルカ世界が滅亡してからは代々、ベルカ自治領の管理や運営などを担って来た一族で、今の当主はカリム総長のハトコに当たる人物なのよ」
「ハトコってことは……総長自身は、本家の人間じゃないってこと?」
カナタのそんな疑問には、ヴィクトーリアに代わって、ザフィーラがこう答えます。
「もちろんだ。もしも本家の人間だったら、いくらレアスキルの持ち主でも、全く血のつながりが無いヴェロッサを、いきなり『弟』として家に迎え入れることなど、できはしないからな」
「え……?」
「格の高い家ほど、血のつながりを重んじますからね。相続の問題もありますから、名家の本家が養子を取るとなると、どうしても『同じ一族の分家の中から』ということになります」
カナタの疑問の表情が解けないのを見て、エドガーもそう言葉を添えたのですが、実のところ、カナタの「新たな疑問」は、それとは全く別のモノでした。
《ごめん、ツバサ。ヴェロッサって、誰だったっけ?》
《ほら。クロノ伯父様の親友で、本局で上級査察官をやっている人ですよ。私たちも、無限書庫で一度、エルスさんと二人でいらっしゃった時に、お会いしているはずですが。》
《……ああ! あの、ちょっと御茶目なオジサンか!》
ツバサにそう指摘されて、カナタもようやく思い出したのでした。
そこで、また一拍おいてから、ツバサはようやく「本題」を切り出しました。
「ところで……実を言うと、私は元々『これ』を訊こうとして、フランカルディ家についてお尋ねしたのですが……」
「え? 待って。じゃあ、今までの話って、全部、ただの『前振り』だったの?」
ヴィクトーリアは思わず、愕然とした声を上げました。
「ええ、すみません。……いえ。もちろん、いろいろな話を聞かせていただき、大変に勉強になったのですが……私が元々、ヴィクターさんにお訊きしたかったのは、何と言うか……もっと、ずっと些細な問題でして……」
ツバサはや
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