【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第4節】第2管理外世界オルセアについて。
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族層の既得権益の正統なる継承者』と自称する、北方の『人民革命政府』が内紛で崩壊し始めると、状況は劇的に改善され……新暦90年の7月には、ついに『オルセアの160年に亘る内戦の歴史』に終止符が打たれたのです」
当時、カナタとツバサはまだ7歳で、魔法一貫校の一年生でしたが、『メディアが大ニュースとして連日、この話を報道していた』ということだけはよく覚えています。
「それで……今は、オルセアはどういう状況なのでしょう?」
「今はまだ、俗に〈三大勢力〉と呼ばれる、東方の『ベルカ自由同盟』、南方の『オルセア解放戦線』、西方の『諸州独立連合』の間で話し合いが続けられている、といった状態です。
他にもまだ幾つか小さな勢力がありますから、オルセア全体で合意が形成され、〈中央政府〉が無事に樹立されるまでには、まだしばらく時間がかかりそうな状況ではありますが……すでに、再び内戦に戻るような『危機的な状況』からはかなり遠ざかったと聞いています」
それを聞くと、ツバサもようやく安堵の吐息を漏らしました。
そして、一拍おいてから、ツバサは続けてこんな感嘆の声を上げます。
「それにしても……よくそんなにも地道で辛い作戦を、長々と続けられたものですねえ……」
「全くです。あまり表だって語られることはありませんが、実のところ、これは偏に『二十年余に亘ってオルセア包囲網の陣頭指揮を執り続けた、エルドーク・ジェスファルード提督の功績である』と言って良いでしょう」
しかし、その名前を聞くと、カナタとツバサはどちらからともなく疑問の表情で互いに顔を見合わせました。
「エルドーク・ジェスファルードという名前は、どこかで聞いたことがありませんか?」
「……ああ、思い出した! リンディお祖母様の友人だヨ! て言うか、早くに亡くなったクライドさんの『無二の親友』だったとかいう人だ!」
カナタとツバサは、自分たちを育ててくれたリンディのことは親しく『お祖母様』と呼んでいますが、自分たちが生まれるより三十年ちかくも前に死んだ人のことは、さすがに『お祖父様』とは呼んでいません。
「ああ、そうでした。……確か、お二人は士官学校でお祖母様よりも一年上の先輩だったとか、お祖母様をめぐっては『恋のライバル』でもあったとか……」
「なるほど。年代から考えて、それは、確かに同一人物のようですね」
エドガーの知る限り、「あの」エルドーク・ジェスファルードと同年代で同じ名前の提督など、管理局には一人もいませんでした。
すると、そこで不意に、ヴィクトーリアがこう言って会話に加わります。
「そう言えば、フェイトさんのお母様も、元々は次元航行部隊の提督だったのよね?」
「はい。そう伺っておりますが?」
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