【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第4節】第2管理外世界オルセアについて。
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体どこが間違っているのか? そして、どう変えていけば良いのか?』ということを、ようやく客観的に考えられるようになりました。彼等はそれまでずっと『目の前の戦い』に専念せざるを得ない状況に置かれていたため、『自分たちは何故こうした状況に陥っているのか?』という基本的な問題について、落ち着いて考えられるだけの余裕が無かったのです。
と言っても、彼等の多くはそのまま管理世界で平穏な『第二の人生』を送り、中には管理局員になった人も幾許か、いたそうですが……一部の人たちは決意を固めてオルセアに帰り、さまざまな形で平和活動に身を投じました。
そして、そうした人々の命がけの活動によって、70年代以降、オルセアでも次第に内戦の終結を望む声が高まっていったのです」
エドガーはそこでようやく一息ついて、お茶を一口飲んでから、また言葉を続けました。
「一方……話は少し前後しますが……新暦も60年代に入ると、若干の技術革新と法改正により、管理局は惑星オルセアの周回軌道上に次元航行艦を配置して、武器商人の船を早期に発見し、令状なしで拿捕することができるようになりました。
オルセアは元々、〈D−クリスタル〉などの地下資源を輸出し、他の世界から必要なモノを輸入していた世界です。こうした『地下資源依存型の経済構造』が一度、定着してしまうと、その世界にはなかなか地場産業が育ちません。自分たちで苦労して一から作り上げるよりも、今ある資源を切り売りして簡単に得られたお金で他所から買って来た方が、ずっと『手っ取り早い』からです。
そういう訳で、その頃になっても、オルセアの人々はまだ、性能の良い銃器や銃弾を自分たちで作ることができるようになってはいませんでした。内戦で自分たちが使っている質量兵器も、そのすべてを他の世界からの輸入に依存し続けていたのです。
そこで、管理局は『銃器や銃弾の流入』そのものを絶つことにしました。銃弾は消耗品ですし、銃器にも耐用年数がありますから、それらの流入を完全に絶つことができれば、質量兵器は次第に使えなくなっていくはずだ、と考えたのです」
「しかし、それは、何と言うか……随分と遠回りで、その上、大変に地道な作業だったのでは?」
「そうですね。ただ単に『地道』なだけでは無く……密輸業者も何とかして管理局の目をすり抜けようとして来ますから……『片時も気が抜けず、いつ終わるとも知れず、しかも、業績として評価されることはあまり無い』という、相当に辛い作業でした。
しかし、その一方で、地上ではNGOが『銃器や銃弾と物々交換で、現地の人々にいろいろと便利な生活用品を手渡してゆく』といった形で、質量兵器の回収を精力的に進めて行き……そうした両面作戦の成果もあり、80年代に入って『貴
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