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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
 【第3節】旧総督家たるフランカルディ家について。
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半の人々は寒さを嫌って、ミッド第一大陸のむしろ南側に住みつきました。特に数が多かったのは、ともに『貴族らの圧政』から逃れて来た、キルバリスやオルセアやヴァイゼンからの移民でしたが、彼等が集団で住みついた土地は、彼等の『(もと)いた世界』の名前から、今でもキルバラ地方、エルセア地方、ヴァイゼラム地方などと呼ばれています。
 また、ミッドチルダにおける『中世』という時代は、一言で言ってしまえば、伝統的な貴族特権が少しずつ解体され、『法の(もと)での平等』といった近代的な理念がゆっくりと実現してゆく過程でもあったのですが、その流れを主導したのも、またフランカルディ家でした。
 中世も後半に入ると『ベルカ世界の滅亡』という歴史的な大事件が起きる訳ですが、もしもフランカルディ家のそうした『社会の近代化に向けた行動』が無ければ、ミッドもおそらくは、ベルカの滅亡に伴う社会的な混乱をまともに乗り切ることなどできてはいなかったでしょう」

「その……社会的な混乱というのは、具体的にはどのようなものだったのですか?」
「いろいろありますが、最も基本的なものは『大量の難民が押し寄せて来たこと』それ自体による混乱です。大量の難民が来れば、まずは住む土地や住居の問題が発生し、次いで食料の確保や排泄物の処理や雇用の問題などが発生します。
 また、そうした難民が、先住者とは『文化的な背景』の異なる人々であれば、当然にさまざまな軋轢(あつれき)や衝突も起こります。
 当時、滅亡も寸前の状況だったとは言え、ベルカ世界全体ではまだ『最盛期』の2割ちかく、およそ4億5千万人もの人々が生き残っていました。
 その中には、もちろん、責任を持って『滅びゆく祖国』と運命を共にする王たちや、老齢や貧困などを理由に脱出を諦めてしまう人々もいましたが……ユーノ・スクライア教授の推計によれば、戦乱の終結からわずか50年ほどの間に、総人口のおよそ8割が無事にベルカを脱出し、60個あまりの世界に分かれて移り住んだということです」

「……え? じゃ、全部で……3億6千万人も?!」
「年平均でも、720万人ですか?(絶句)」
「じゃ、1日当たり2万人? それって、一隻の移民船に1000人を詰め込んだんだとしても……『50年もの間、毎日欠かさずに、20隻もの次元航行船がベルカから他の世界へと出航し続けた』って意味だよね?」
「もちろん、個々の移民船は幾度となく往復を繰り返したのだろうとは思いますが……それにしても、相当な数の移民船が必要になりますね」
「いや。でも……同じ船を50年間も動かし続けることなんて、できるはずが無いし……。当時のベルカ世界って、何だかモノすごく荒廃してたような印象があるんだけど、新たに次元航行船をたくさん建造するぐらいの余力はまだまだ残ってたってコト?」
 カ
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