【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第2節】三人の陸曹たち、来室する。
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「あなたたちって、とっても仲が良いのね。本当に、今日、初めて出逢ったばかりなの?」
「これが……仲が良いように見えますか?」
気勢をそがれて思わずひとつ溜め息をつきながらも、フェルノッドは少し呆れたような面持ちで、ヴィクトーリアにそう問い返しました。
「ええ。見えるわよ。だって、本当に仲が悪かったら、そもそも、まともな会話なんて成立しないでしょ?」
それは確かにそうかも知れませんが、それでも、フェルノッドは何か釈然としない表情です。
「しかし、その論法で言うと……やはり、お嬢様とハリーさんも『大の仲良しだ』ということですね?」
「エドガー! アレは例外だから!」
ほとんど嫌がらせのような「笑顔でのツッコミ」に、ヴィクトーリアはまた思わず声を荒らげてしまいました。
そこで、コニィは内心では笑いをこらえながらも、静かに席を立ちました。
「いつまでも立ち話は変ですね。どうぞ、皆さんもおかけください。今、お茶をお入れします」
「あれ? もしかして、ボクたち、席を替わった方が良いのかな?」
12歳児のそんな言葉にも、バラムはごく丁寧な口調でこう応えます。
「いえ。どうぞ、お気づかい無く。おっつけ、他の陸士たちも来るでしょうから、我等三名は一番向こう側の席に陣取らせていただくとします」
「では、皆さんはどういうお茶がよろしいですか? 何種類か揃えて来ておりますが」
コニィの問いには、一拍おいて、ジョスカナルザードがこう訊き返しました。
「……緑茶って、ありますか?」
「はい。普通の煎茶と御抹茶の二種類になりますが」
「じゃあ、特別に濃い抹茶を三つ。もちろん、ミルクや砂糖は抜きで!」
「解りました、アラミィ風ですね。しばらくお待ちください」
他の意見も訊かず、コニィは足早にまたミニキッチンの方へと歩み去ってしまいます。
それを呆然と見送ってしまってから、フェルノッドは思い出したように、ジョスカナルザードに小声で食ってかかりました。
「ちょ! おま! ナニ、勝手に決めてんだよ?」
「良い機会じゃねえか。挑戦してみろって」
そこで、フェルノッドは助けを求めるような目つきでバラムを見つめたのですが、バラムはひとしきり首をひねってから、こうつぶやきます。
「うむ。確かに、地元ではできないことに挑戦してみるというのも、旅の醍醐味かも知れんな」
フェルノッドは「まさかの裏切り」に遭って、愕然となりました。
「はい。二対一で多数決な」
「いや! だって! ……抹茶って、アレだろ? ワサビみたいな色をしたヤツだろ?」
「別にワサビは入ってねえよ。(笑)」
「勘弁してくれよ。……オレ、ガキの頃、兄貴に『抹茶ムースだから』と騙されて、練りワサビをスプーン一
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