【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第2節】三人の陸曹たち、来室する。
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の『本業』は、あくまでも『八神提督の個人的なボディガード』なんだよ。しかし、下手に階級や魔導師ランクを取ると、それに応じた『役職』を局から割り振られ、結果として『本業』に専念することができなくなってしまうだろう? だから、わざと何も取らずにいるのさ」
「でも、階級がひとつ違うと、基本給の方もだいぶ変わって来ますよね? その点は大丈夫なんですか?」
ジョスカナルザードが真顔で問うと、二人の陸曹は再び頭を抱えてしまいます。
「お前! ここでも、また、金の話かよ!」
「お主は、金と女にしか関心が無いのか?!」
「いやいや、お金は大事だよ! そりゃ、旦那は名家の出身だから、本気で金に困ったコトなんか一度も無いんだろうけどさ!」
《同年代の同僚から『旦那』と呼ばれてしまう26歳。(笑)》
《カナタ! それ、間違っても、声に出して言っちゃダメですからね!》
《解ってるヨ! いくらボクだって、そこまで非常識じゃないヨ!》
カナタとツバサは、顔にこそ出しませんでしたが、実のところ、笑いをこらえるのに懸命でした。
一方、ザフィーラはひとしきり首をひねってから、ジョスカナルザードの質問に答えました。
「管理局員になった時点で、オレ名義の『給与振り込み用の通帳』も作られたはずなんだが、シャマルに預けたきり、自分では一度も開いて見たことが無いな。正直なところ、自分の月収や預金残高が今どれぐらいあるのか、オレにはよく解らん」
「ええ〜っ!?」
ジョスカナルザードは『とても信じられない!』と言わんばかりの表情です。
「オレは、衣食住のすべてを提督から個人的に賄われているからな。自分では『日常的にカードや現金を所持している必要』それ自体が無いんだよ」
「え? いや! ……でも! 何か、個人的な趣味とかは無いんですか?」
「そうだな。昔はよく、近所の小児らに格闘技の基礎を教えたりもしていたんだが……主人が提督の地位に就いてからは『本業』の方が忙しくなって、それ以降は、『道場』の真似事のようなコトも、もう長らくやっていないなあ」
「ええ……。じゃあ、今はもう何の楽しみも無い人生ってコトですか?」
「いや。仕事も訓練も、オレはそれなりに楽しいぞ」
驚愕にうち震える若者に対して、ザフィーラはさも当然のことのような淡々とした口調で、さらなる追い打ちをかけました。ジョスカナルザードはすでに顎が落ちており、全く文字どおりの意味で『開いた口がふさがらない』という状態です。
「だから、世の中、お前みたいな人間ばかりじゃないんだよ!」
「お主も、千分の一でいいから、ザフィーラ殿を見習え!」
二人の陸曹はここぞとばかりにたたみかけました。
「私も同じ『主人に仕える身』と
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