【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第2節】三人の陸曹たち、来室する。
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ああ、そうか。ティアナさんも確か、元々はエルセア地方の出身だったわね。)
コニィが慌てて自分のティーカップを下げ、ミニキッチンの方から布巾を取って来る中、ヴィクトーリアは独りそう納得しました。
すると、今度は、長身のイケメンが少し軽い口調でこう自己紹介をします。
「で、自分は、アラミィ地方の陸士298部隊から来ました、ジョスカナルザード・ログニス陸曹、25歳です。以後、よろしくお願いします」
「えっと……ごめんなさい。切れ目がよく聞き取れなかったんだけど……ナルザードがミドルネーム、でいいのかしら?」
「いえ。ジョスカナルザードで一個のファーストネームです。……アラミィじゃそれほど珍しい名前という訳でもないんですが、どうやら、中央の方じゃ滅多に無い名前のようですね。……ま、確かに長いんで、普段の呼び名はジョーで結構です」
「それなら、これからはそう呼ばせてもらうことにするわ」
そこで、ヴィクトーリアが三人目の若者の方へ目を向けると、その男は少しボソボソとした口調でこう語りました。
「私は、クルメア地方の陸士339部隊から来ました、フェルノッド・ウベルティ陸曹、24歳です。多分、顔色が悪く見えると思うんですが、これが地顔で、本人はいたって健康ですので、どうぞ、お気づかい無く」
「え? クルメアのウベルティ家って……もしかして、フランカルディ家の〈四大分家〉の一つのウベルティ家?」
ヴィクトーリアがちょっと驚いた口調で問うと、フェルノッドはやや居心地の悪そうな表情でこう答えます。
「ええ。まあ、先祖をたどれば確かにそうなんですが……ウチはウベルティの中でも分家の分家筋のそのまた分家なので、父も母も兄も私も妹も、フランカルディ家やウベルティ本家の方々とは全く面識がありません。どうぞ、一般市民あつかいでお願いします」
「ああ、そうなのね。解ったわ」
ヴィクトーリアは「何故か」ほっと安心したような表情でそう応えました。
【この辺りの説明は、また「第6節」でやります。】
「それでは、改めて皆さんに御紹介しましょう。こちらが、ヴィクトーリア・ダールグリュン執務官です」
「はい。古代ベルカの王族の裔であると伺っております」
エドガーの言葉に、バラムはまた必要以上に丁重な口調で応えました。ヴィクトーリアは思わず少し恥ずかしげな微笑を浮かべます。
「まあ、〈雷帝〉はもう十世代以上も昔の人だし、当家では代々、おおむねミッド人の女性を妻に迎えて来たから、私の体の中にはもう〈雷帝〉の血なんて千分の一も流れてはいないはずなんだけどね」
そこで、ヴィクトーリアから視線で先を促され、エドガーはこう続けました。
「そして、私はエドガー・ラグレイト。管理局員である以前に、お嬢様の執事です。こ
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