【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第1節】談話室にて、まず六人での会話。
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その言葉に、ヴィクトーリアは思わず少し表情を強張らせます。
「それって……もしかして、だいぶ悪いってことなんですか?」
「さあ、どうなんだろうな? オレも詳しい話は聞いていないんだが……検査入院と言いつつ、もう一月以上になる。なのはには『14年前の古傷』もあるし、心配だと言えば、確かに心配なんだが……」
「でも、なのは母様は、そうやって『自分が他人から心配されてしまう』というコト自体を本気で嫌がってますからね」
「もう先月の話なんですけど、ボクらも、なのは母様から『あなたたちは、私の心配などする暇があったら、もっと自分らの成すべきことを成しなさい。私だって、たくさん心配されればそれだけ早く退院できるようになる、という訳じゃないんだから!』なんて言われちゃったんですヨ」
ツバサとカナタは、ザフィーラの言葉に合わせて、こんな時のために二人で密かに決めておいた「台本」どおりの台詞を使いました。
もちろん、それは「真っ赤な嘘」だったのですが、それでも、ヴィクトーリアは疑うこともなく納得してくれたようです。
「ああ、なるほど。……それは確かに、なのはさんらしい言い種よねえ」
ヴィクトーリアは小さく何度もうなずきながら、そう応えました。
「じゃあ……なのはさんが退院したら、私たちにもすぐに教えてもらえるかしら? 『快気祝い』ぐらいは、私たちにもさせてほしいわ」
「そうですね。そうしていただければ、母様も喜ぶと思います」
「できれば、姉様の出産には間に合ってほしいんですけどネ」
こうして、双子はこの件に関する追及を巧みに(?)かわしたのでした。
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