【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第1節】談話室にて、まず六人での会話。
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向いてないんだ』って、遅ればせながら12歳の時に気がついたの」
「ちょうど、お嬢様がIMCSに初めて参加された頃のことですね」
エドガーの説明を聞くと、カナタは思わず、ポンと手を打ちました。
「ああ! IMCSと言えば、ボクらも姉様から当時の資料映像を幾つか見せてもらったことがあるんですけど、確かに、ヴィクターさんの試合運びは全部、すごくマジメって言うか、『正々堂々、駆け引き無しの真っ向勝負』ばかりでしたよネ」
「もっと素直に『突撃バカ』って言ってくれても良いのよ?」
「いえいえ! ボクはマジで誉め言葉のつもりだったんですけど!」
「お嬢様。あまり若い人をいじめてはいけませんよ」
コニィに言われて、カナタもようやく、自分が軽くからかわれていたことに気がついたようです。
皆でひとしきり笑ってから、コニィも改めて自分の席に着いたところで、ヴィクトーリアはまた唐突に話題を変えました。
「ああ、そう言えば……ごめんなさい。本来なら、これは、あなたたちに会ったら真っ先に訊いておかなければいけないコトだったんだけど……ヴィヴィオさんはお元気? 出産予定日ってもう今月だったんじゃなかったかしら?」
「ええ。下旬という話ですので、まだ半月ほどは間があると思うんですが」
「じゃあ、遅くてもそれまでには、アインハルトさんを助け出して、ヴィヴィオさんの許に連れ帰って、彼女を安心させてあげないといけないわね」
「ええ。姉様も『兄様が新世界に置き去りにされた』という話を聞かされてからは随分と落ち込んでいますから」
「それで、姉様は昨日、第二次調査隊が翌日には出航すると知るや、急いで提督に『自分も連れて行ってほしい』と直訴したんですけどネ。さすがに『妊婦はダメだ』と断られたので、代わりにボクたちが行くことにしたんですヨ。ボクたちが近くにへばりついてるよりも、その方がむしろ姉様は安心できるんじゃないかと思って」
双子の説明を聞くと、ヴィクトーリアもひとつ深々とうなずきます。
「ああ。やっぱり、そういう経緯だったのね。昨晩、シグナムさんから最小限の言葉で『高町家の双子も参加することになった』とだけ聞かされた時に、『大方、そういった流れなんだろうな』とは思ってたけど……」
そこで、ヴィクトーリアは、また不意に口調を変えて言葉を続けました。
「でも……また話は変わるけど、ヴィヴィオさんって、今はどちらにいらっしゃるの? 私たち、先月の26日に〈本局〉に戻って、その日の晩に初めてアインハルトさんのことを知らされてから、慌ててミッド地上の御自宅の方へ連絡を入れたのだけど、留守だと言われたきり、本人に転送もされず、録音すらできない状態で……」
「ああ、すみません。実は、しばらく前から、姉様は聖王教会本部の方でお世話に
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