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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
 【第1節】談話室にて、まず六人での会話。
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ラが二杯目のお茶を待っている間に、ツバサはふと思いついた疑問を言葉にします。
「ところで、ヴィクターさん。先程のお話なんですが……」
「え? どの話?」
「お兄様の話ですが、ヴィクターさん自身は、お父様の後を継ごうとは考えなかったんですか? 私たちからすると、ヴィクターさんには充分なカリスマがあるように見えるんですが」
「ああ! そう言えば、ヴィクターさんと相部屋になった二人組も、さっきボクらの部屋に来て、『執務官様は、やっぱりオーラがゼンゼン違う!』とか言って驚いてましたヨ」
 カナタが少し悪戯っぽい口調でそんな言葉を添えると、ヴィクトーリアは思わず、やや困惑気味の笑顔を浮かべました。

「そうなの? 私は努めて気さくに接していたつもりだったんだけど……」
「まあ、持って生まれてしまったオーラは、どうしようもありませんよねえ」
 コニィの容赦ない指摘に苦笑を浮かべながらも、ヴィクトーリアは改めて、ツバサの質問にこう答えます。
「私も小さい頃から、兄が少しばかり頼りないところのある人だということは解っていたから……自分が兄に代わって父の後を、というコトも『全く考えなかった』という訳ではないのだけれど……。私には一族の血に由来する、それこそ『持って生まれた』強い魔力があったから……」
「お嬢様も、当時はまだ、強すぎる魔力の制御が上手くできず、『並みのデバイスなど与えても、すぐに壊してしまう』という有様でした」
 カナタとツバサも魔力はだいぶ強い方ですが、さすがにそこまで強くはありません。

「ああ。そう言えば、『提督も昔はそうだった』というお話を聞いたことがあります」
 ツバサはエドガーの言葉にそう応えながら、ちらりとザフィーラの顔を覗きました。その視線に促されるようにして、ザフィーラはこう応えます。
「うむ。それは、まだ提督が車椅子に乗っていた頃……9歳か10歳の頃の話だ」
「お嬢様も、当時は似たような年齢でした。やはり、魔力そのものは一般に、それぐらいの年齢で急激に伸びるものなんですねえ」
「あの頃は、私も『自分は逆の意味で、正規の魔導師には向いてないのかも』なんて考えてしまったこともあったけれど……ちょうどその頃だったかしら。自分よりも遥かに厳しい状況に置かれていたジークと出逢って、『この程度の魔力で、そんな泣き言を言ってちゃいけないんだ』と自分の考えを改めたわ」

 そこで、コニィがザフィーラのティーカップに二杯目のお茶を(そそ)ぎました。
「はい。どうぞ」
「うむ。済まんな」
 そんな短い中断の後、ヴィクトーリアは少し砕けた口調で言葉を続けます。
「それに、よく考えたら、私は元々、根が単純というか、何というか……。策略とか、駆け引きとか、腹の探り合いとかって、昔から苦手なのよ。『だから、政治家には全く
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