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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
 【第1節】談話室にて、まず六人での会話。
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うには行きませんよ」
「シグナムやシャマルの見立てでは、カナタもツバサも空戦の魔法資質は充分に『常人(ひと)並み以上』ということなんだがなあ。なのはやフェイトに比べると、さすがに少し見劣りがするらしい」
 双子の溜め息まじりの言葉は、半ば独り言のようなものでしたが、ザフィーラはそこに一言そう解説を加えました。

 すると、それから一拍おいて、ヴィクトーリアは実にしみじみとした口調でこうこぼしました。
「ああ。やっぱり、親が立派すぎると、同じ道に進んでしまった子供は苦労するものなのねえ」
「……え? でも、ヴィクターさんの御両親って、魔導師でしたっけ?」
 カナタの質問に一瞬だけキョトンとした表情を浮かべてから、ヴィクトーリアは慌ててこう答えます。
「ああ、ごめんなさい。今のは、独り言というか……私の話じゃなくて、兄の話よ。私の兄は、父の後を継ごうとして政治家になったのだけれど、元々、父ほどのカリスマは無いから、やっぱり、随分と苦労してるみたいなの。最近は、父も少し体の調子を悪くしてるから、私としても、兄にはもう少し頑張ってほしいところなのだけれど……」
「管理局に勤めているのは、お嬢様のお父上ではなく、上の叔父上の方ですね。聞いた話によると、いずれは〈中央評議会〉の評議員も狙えるほどの(かた)なんだそうです。……はい。お二人とも、どうぞ。お茶が入りましたよ」
 コニィはそう言って、二人の前にお茶を出しました。小さなお茶菓子もついて来ます。
「あ〜。ありがとうございます」
「では、早速いただきます」
 双子はひとしきり香りを楽しんでから、お茶に口をつけました。

 その一方で、ザフィーラはヴィクトーリアにこう尋ねます。
「上の叔父は、確か、今は少将だったか?」
「はい。私が十代の頃はまだ一佐で……あの頃までは、あの叔父も本当に立派な人だったんですけど……」
「何だ。今はもう違うのか?」
「ええ。その……何と言うか……階級や役職によって『求められる能力』は変わって来ますから。特定の階級で有能だった者が、昇進した後に、その階級でもまた同じように有能と評価されるかと言えば……必ずしもそうとは限りません」
「組織の中で立ち位置が急に変わるというのは、やはり難しいものなんだな」
 ザフィーラは、いまだに「三佐らしいコト」を何もしていないシグナムとヴィータのことを念頭に置きながら、そう応えました。
(その点、彼自身はそもそも階級を持っていないので、気楽なものです。)

 左右の席で双子が美味しそうにお茶を飲んでいる中、ザフィーラは何気なく自分のティーカップを持ち上げてから、それがすでに(から)であることを思い出しました。
「済まんが、コニィ。オレにも、もう一杯、もらえるか」
「はい。ただいま」
 そうして、ザフィー
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